2020 Fiscal Year Research-status Report
褐色脂肪活性に関係するバイオマーカーの探索とその増加による生活習慣病予防の検証
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20K19649
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
布施 沙由理 東京医科大学, 医学部, 助教(特任) (30829841)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 褐色脂肪 / 近赤外時間分解分光法 / メタボローム / 腸内細菌叢 / 生活習慣 / 遺伝 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト褐色脂肪組織は糖代謝やインスリン感受性の改善に寄与することが分かってきた。褐色脂肪組織による熱産生機能は様々な代謝過程と密接に関連するが、ヒト褐色脂肪組織活性/量を反映する生体分子(バイオマーカー)の探索はほとんどなされていない。 本研究の目的は、健常成人男女の血液を用いてメタボローム解析を実施することで、褐色脂肪と関連する代謝産物を測定・評価し、代謝経路を特定することである。また、褐色脂肪の個人差を決定づける遺伝的要因、生活習慣、腸内細菌叢も検証する。さらに、中年期の健常者および肥満者に栄養介入を行い褐色脂肪活性/量を変化させ、関連する代謝産物や腸内細菌叢を検証することも目的とした。 研究1年目である2020年度の実施計画は、健常成人男女100名を対象として褐色脂肪と褐色脂肪に関連する代謝産物の網羅的測定および関連要因(生活習慣、遺伝的要因および腸内細菌叢)の検討を行うことであった。 2020年度の研究成果は、計画通りに進まなかった。今冬の新型コロナウイルス感染症まん延防止のための緊急事態宣言発令によって、ヒトを対象とした実験が困難であり、予定した被験者数を大幅に達成できなかったためである。緊急事態宣言解除後に実験を開始したが、現在までに測定できた人数は19名であった。しかしながら、メタボローム解析を用いたデータの論文執筆に携わり、メタボローム解析データの取り扱い方法や統計解析手法を事前に学ぶことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症まん延防止のためヒトを対象とした実験が困難であったため。また、腸内細菌叢を検討するための糞便採取に関する倫理申請書の申請遅滞のため、申請書記載計画より遅れが出ている。今後、早急に所属機関の倫理審査委員会へ申請を行い、新型コロナウイルス感染症の特別予防措置解除後、感染拡大防止に最新の注意を払いつつ、早急に実験を進めたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
所属機関の倫理審査委員会へ糞便採取に関する研究内容の申請を速やかに行う。承認後、健常成人男女の募集を開始する。 実験を実施する際は、新型コロナウイルス感染症まん延防止に伴う政府の方針および研究施設の方針に準じて実験を進める。具体的な感染対策として、実験室の換気、密を避ける、測定機器の除菌等を講じる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症まん延防止のためヒトを対象とした実験が困難であり、予定した被験者数を大幅に達成できなかった。また、腸内細菌叢を検討するための糞便採取に関する倫理申請が遅れている。このため、被験者謝金支払いが少なかったこと、血液および糞便検査費用がかからなかったことが理由である。次年度、被験者謝金および検査費用に使用する予定である。
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Research Products
(12 results)