2022 Fiscal Year Research-status Report
健康行動を規定するICTによる無意識的動機づけの研究:消費者行動の視点からの検討
Project/Area Number |
20K19653
|
Research Institution | Niigata University of International and Information Studies |
Principal Investigator |
藤田 美幸 新潟国際情報大学, 経営情報学部, 准教授 (60788917)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | スポーツ消費者行動 / 健康スポーツ行動変容 / ゲーミフィケーション / ヘルスケアプロモーション / ヘルスケア消費者行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、2021年度に引き続き、1)ICTを活用した健康関連サービスにおける消費者行動への影響に関する分析を重点的におこなった。 ひとつめは、2021年9月から2022年8月まで申請者がタイ王国チュラロンコン大学ビジネススクールで研究の機会を得ていたため、タイ人における健康関連サービスの実施状況とICTの関連について調査を実施した。具体的には、バンコク市近郊における500名に対しアンケート調査を実施した。500名の対象者は人口比に割付、男女比・人口割合に偏りがないように実施した。また、この調査から収集されたデータは分析中である。 ふたつめは、パイロットリサーチとして、日本国内でICTツールを用い集団体操を実施した。また、達成関連語句の刺激を参加者に与えた。それの有効性について参与観察法と参加者へのデプスインタビュー調査により検討した。このリサーチでは、新潟県のA自治会の協力を得て実施した。参加者は高齢者であった。その結果、日常では非活動的であっても、集団で体操を実施することで活動的になり、気分が高揚する傾向が示唆された。また、達成関連語句の刺激の有効性が示唆された。他方、安定的にサービスを提供できるオンラインツールの検討が必要であることが明らかになった。これらの結果から、継続的な実証研究を試みたが、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の再拡大により本務校での研究活動が制限され実施が難しくなった。したがって、行動制限下では、先行研究の洗い直しや収集済のデータについて、より丁寧に分析した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響により、2021年度につづき本務校の方針として、国内外の移動に制約がかかり、昨年度までと同様にフィールドワークを中断せざるを得なかった。また日本国内では特に厳しい行動制限下もあり、当初の計画通りの調査・研究が進んでいない。一方で、ICTを活用したバーチャルサービスが世界中で急速に進展したことからでデスクリサーチが可能となった。また行動制限下中では、先行研究の洗い直しや、収集済のデータについて、より丁寧に分析し調査・研究計画を深化させることができた。しかし、これらの研究成果の公表が進んでいないことから「やや遅れている」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は本研究の最終年度であることを鑑み、これまでの研究についてまとめ、ジャーナルに投稿する。また、COVID-19も収束しつつあるため、前年度まで実施予定だった研究・調査を遂行する。その調査結果について、学会での口頭発表や学術論文を通して公表する。 1)ICTを活用した健康関連サービスにおいて、消費者行動に影響する因子について明らかにする。これらは、従来まで取得したデータについて分析した結果について公表する。 2)達成語句の刺激とICTを活用した健康関連サービスの実証実験を実施し、参加者の行動について分析する。
|
Causes of Carryover |
COVID-19の影響による行動制限下により、研究当初の予定にあるアメリカでの調査が困難になったため、それにあてる予定だった旅費と人件費・謝金を使用することができなかった。一方で、2021年9月より2022年8月までタイのチュラロンコン大学ビジネススクールで海外研修の機会を得たことにより、タイ国内で調査・研究を進展することができ旅費や調査研究費を使用した。COVID-19が収束した場合には、2022年度まで実施予定だった調査と合わせて遂行する。また、実証実験の研究費用に充てる。本年度は、研究最終年度に該当するため、研究成果の公表に注力し、英文校閲費や報告書出版費用等に充てる。
|
Research Products
(1 results)