2021 Fiscal Year Research-status Report
筋内脂肪量の増大が予後に与える影響の解明:高齢入院患者での検討
Project/Area Number |
20K19661
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
赤澤 直紀 徳島文理大学, 保健福祉学部, 講師 (90789603)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 筋内脂肪量 / 高齢入院患者 / 予後 / 日常生活動作能力 / 低栄養 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年に発表された世界規模の低栄養診断基準では,筋量の減少が,重要な現症の一つとして位置づけられている。一方,我々はこれまでに,高齢入院患者の骨格筋内における脂肪量(筋内脂肪量)の特徴を横断的に調査してきた。それら成果として,高齢入院患者の大腿四頭筋の筋内脂肪量の増大は,重度低栄養リスクと関連すること,さらにそれらは,筋量の減少よりも,嚥下機能と歩行自立度の低下に関連することを見出した。これら結果は,筋内脂肪量の増大は,筋量の減少よりも,高齢入院患者の予後に悪影響を与える可能性を示していた。本研究では,その可能性を検証するため,高齢入院患者における筋内脂肪量の増大と日常生活動作能力,在宅復帰率および生存率の低下との縦断的関連性を明らかとする。これら関連性を明らかとすることで,高齢入院患者の低栄養の議論において,筋量の減少よりも,筋内脂肪量の増大に着目する重要性を提示する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年、高齢入院患者の入院時の大腿四頭筋の筋内脂肪量は筋量よりも退院時の日常生活動作能力に関連することを明らかとした。さらに、高齢入院患者の入院中における筋内脂肪量の減少は筋量の増大よりも日常生活動作能力の改善に関連することを明らかとした。これら高齢入院患者の大腿四頭筋の筋内脂肪量と日常生活動作能力との縦断的関連性を明らかにできた点で進捗はおおむね順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
高齢入院患者の大腿四頭筋の筋内脂肪量と在宅復帰率や生存率との関連を調査していきたい。
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Causes of Carryover |
研究旅費の支出がなかったため、その分の次年度使用額が生じた。2022年度におけるそれら使用計画として、論文掲載費用や研究旅費としての支出を行う予定である。
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Research Products
(7 results)