2020 Fiscal Year Research-status Report
肥満を早期に予測するためのリスク因子となる新たなバイオマーカーの探索
Project/Area Number |
20K19670
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高谷 里依子 千葉大学, 予防医学センター, 特任助教 (20772370)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 幼児肥満 / マイクロRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では臍帯血でのマイクロRNA解析を通して、幼児期の肥満リスク因子となる新たなバイオマーカーを同定し、将来のメタボリック症候群発症予防へと展開するための研究基盤を確立することが目的である。 研究項目は①当施設における出生コホート調査における5000組の母児について、児の1.5歳、3歳、5歳のBMIをもとに肥満高リスク群と肥満低リスク群に分類し、それぞれの臍帯血中マイクロRNAの網羅的解析、両群間で存在量に差があるマイクロRNAを選択。②選択したマイクロRNAに関して、肥満のリスクとなりうるか多サンプルで検証。③肥満のリスク因子と同定されたマイクロRNAについて機能解析。の3項目である。 令和二年度は、肥満高リスク群および肥満低リスク群よりそれぞれ5サンプルを抽出し、臍帯血中マイクロRNAの網羅的解析を行なった。なお、3歳時BMIが1.5歳時より大きく、5歳時のBMIが19を超えて過体重を示す児を肥満高リスク群とした(n=51)。また、3歳時BMIが1.5歳時以下で、5歳時のBMIが14.5以上15.5以下の標準体重を示す児を肥満低リスク群とした(n=1700)。網羅的解析結果より、両群間で発現量に差のある上位10個のマイクロRNAを選択した。 さらに、肥満高リスク群および肥満低リスク群よりそれぞれ25サンプル抽出し、臍帯血清中の発現量を検討した。検証の結果、6つのマイクロRNAで両群間で発現量に有意差を認めた。 令和三年度は、幼児肥満と相関を認めた6つのマイクロRNAに関して機能解析を計画している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和二年度は、研究項目①当施設における出生コホート調査における5000組の母児について、児の1.5歳、3歳、5歳のBMIをもとに肥満高リスク群と肥満低リスク群に分類し、それぞれの臍帯血中マイクロRNAの網羅的解析、両群間で存在量に差があるマイクロRNAを選択。②選択したマイクロRNAに関して、肥満のリスクとなりうるか多サンプルで検証。③肥満のリスク因子と同定されたマイクロRNAについて機能解析。の3項目のうち①と②を施行した。おおむね当初の予定通りに進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和三年度は、これまでの研究で幼児肥満と相関を認めた6つのマイクロRNAに関して機能解析を計画している。6つのマイクロRNAに対するマイクロRNA mimicを、ヒト脂肪細胞にlipofectamin法を用いてtransfectionする。48時間後にレプチンやアディポネクチンなどのアディポカインの発現変化をリアルタイムPCR法にて解析する。また、ミトコンドリア機能を細胞外フラックスアナライザーで測定する。
|
Causes of Carryover |
当初は10個程度のマイクロRNAを選択し、多検体で発現量を測定する予定とした。しかし網羅的解析の結果、令和二年度は8個のマイクロRNA で発現量を測定したため、次年度使用額が生じた。 次年度に、追加で、数個のマイクロRNAの発現量を多検体で検証する。
|