2021 Fiscal Year Research-status Report
老化促進モデル動物を用いたカカオ成分による抗老化作用の解明
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20K19674
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
住吉 愛里 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (40782404)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | テオブロミン / 老化促進モデルマウス / がん / 老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の長寿社会では、要介護者の増加やがん患者の増加(1980年代は3人に1人ががんを発症したのに対し、現在では2人に1人の割合で発症する)などというマイナスな面が表面化している。老化ならびにそれに伴う病態生理学的現象(がん化も含む)には様々なシグナルが関わっているが、その中でがん遺伝子であるPhosphoinositide 3-kinase(PI3K)とその下流にあるAkt‐mTORシグナルが極めて重要である。 私たちはカカオに高濃度で含まれるメチルキサンチン誘導体の一つであるテオブロミンが、老化やがん化を促進するPI3K‐Akt‐mTORシグナルを抑制することを正常ラットを用いた研究で明らかにした。一方、がん細胞と生体の免疫応答には深い関係があることが知られている。しかしながら、テオブロミンが免疫不全を呈する老化促進モデルマウスに与える影響は不明である。 そこで本研究では、免疫機能不全を呈する老化促進モデルマウス(SAMP1)および正常老化マウス(SAMR1)を用いて、テオブロミン含有飼料摂取が1)老化ならびに2)がん化を 予防・改善できるか否かを明らかにする免疫機能不全を呈する老化促進モデルマウス(SAMP1)および正常老化マウス(SAMR1)を用いて、テオブロミン含有飼料摂取が1)老化ならびに2)がん化を予防・改善できるか否かを明らかにする。老化による症状としての脱毛や肌荒れなどの皮膚症状、各臓器へのアミロイド沈着や腎臓の大きさとがん・腫瘍の有無を観察し、肉眼的、生化学的評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
老化促進モデルマウス(SAMP1)および正常老化マウス(SAMR1)のテオブロミン含有飼料摂取させ、毛や皮膚荒れなどの皮膚症状の観察を行った。また、麻酔下でMRIを用いて、腎臓の大きさや腫瘍の有無を観察した。
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Strategy for Future Research Activity |
テオブロミンの摂取による老化・がん化予防の可能性を探るべく、PI3K‐Akt‐mTORシグナルの解析を行う。測定にはELISA法やウエスタンブロット法を用いる。その他、炎症マーカーの解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により学会参加の見送りが生じた。また動物実験施設の改修工事に伴う騒音の影響があり、飼育・実験が制限されたため、翌年度の使用額が生じた。
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