2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the mechanism of vitamin B12 to prevent Alzheimer's disease: from basic to clinical research
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20K19685
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
木村 篤史 昭和大学, 医学部, 助教 (10840259)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ蛋白 / 健康食品 / ビタミン / ビタミンB12 / 抗酸化作用 / Voxel-Based Morphometry / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
アルツハイマー病(AD)の予防・治療法の確立は喫緊の課題である。本研究は、我々の過去の研究から、AD発症には前段階として数十年を要すること、またその病態にアミロイドβ(Aβ)のオリゴマーと神経毒性が強く関わることが想定されることから、その発症を回避できる長期間摂取可能な薬としてビタミンB12(VB12)を挙げ、作用機序を明らかにしさらに臨床での影響を評価することで認知症の有病率改善に寄与しようとするものである。
本年度は、最も毒性の強いhigh molecular weight- Aβ oligomer(HMW-Aβo)を分取し、in vitroにてSH-SY5Y神経細胞におけるHMW-Aβo誘発性神経細胞障害モデルに対するVB12による毒性抑制機序について検討した。同時に、臨床における認知機能障害とVB12との関連を調査するため、当院における認知症外来におけるデータ集積を進めた。 特に、HMW-Aβo誘発性神経細胞モデルでは、神経細胞膜やミトコンドリアにおける酸化ストレスの誘発が近年焦点の一つとなっており、重点的な検討を行った。その作用について、” Vitamin B12 may prevent Aβ oligomer-induced neurotoxicity in Alzheimer's Disease”のタイトルで国際学会Alzheimer's Association International Conference in 2020にて発表した。また、” ビタミンB12は,アミロイドβオリゴマーによる神経毒性を抗酸化作用により抑制する”のタイトルで第39回日本認知症学会学術集会(2020年)にて発表した。 ADが臨床的に発症する前に潜在期間として数十年がかかることを踏まえ、VB12は特に認知症に至る危険性の高い軽度認知機能障害患者やその更に早期である前臨床期(Preclinical)における有効な治療法になる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoでは認知症モデルマウスを用いた実験も追加する予定であったが、マウスの繁殖が進まず検討できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、以下について進める予定である。 即ち、細胞モデルについては令和3年度中にはその抑制機序の推定まで施行する予定である。検討結果については、今年度の国際学会であるAlzheimer's Association International Conference in 2021で発表予定である。また引き続き臨床データの集積を継続し、解析に進む。これらのデータはすでに目標の9割程度まで得られており、概ね順調に進む可能性が高いと考える。 また、研究成果について纏め、令和4年度中頃には査読付き論文に投稿見込みである。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス蔓延の影響にて入荷の遅延、不足により一部施行できなかったin vitroの実験があり、そちらは来年度に施行する予定である。
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