2021 Fiscal Year Research-status Report
異なる運動実施時間帯における持久性運動が糖代謝および体内リズム変動に及ぼす影響
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20K19689
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
金 鉉基 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (10791874)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 運動実施時間帯 / 血糖値変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
持久性運動は血糖値の改善に有効である。一方、耐糖能は日内変動を有することが報告されており、朝に比較して夕方に低下することが示されている。そのため、運動実施時間帯の違いにおける血糖値への影響は異なる可能性がある。そこで、本研究では朝または夕方の短期間持久性運動介入が24時間の血糖値変動に及ぼす影響について検討することを目的とした。 健康な若年男性12名(年齢:21.8 ± 0.2歳、BMI:21.3 ± 0.9 kg/m2)を対象に2つの異なる運動実施時間帯(朝試行[09:00~11:00]および夕方試行[16:00~18:00])において最大酸素摂取量の60%の強度で60分間のトレッドミル運動を実施した。運動介入は1週間とし、週3回の持久性運動を行なった。各試行は2週間以上の間隔をあけ、無作為化交差比較試験で行った。各試行の24時間の血糖値変動を評価するため、持続血糖測定器(continuous glucose monitoring; CGM)を用いた。 夕方試行で朝試行に比べて運動介入後の24時間の血糖値変動を曲線下面積(area under the curve; AUC)にて検討した結果、朝試行に比較して夕方試行で有意に低い値が示された(P < 0.01)。また、各食後の血糖値変動のAUCにおいても朝試行に比べて夕方試行で低値を示し、朝食と夕食で朝試行に比較して夕方試行で有意な低値が示された(P < 0.05、P < 0.01)。 これらの結果から、夕方の持久性運動は朝の持久性運動に比べて24時間の血糖値改善に有効であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、異なる運動実施時間帯における短期間の持久性運動が血糖値変動に及ぼす影響について若年男性を対象に実験を進めることができた。ただし、現在進行中であり、血糖値変動に対する異なる運動実施時間帯の影響を明確にするためには今後さらなる追加測定および解析を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
糖尿病の予防・改善の観点から考えると、より長期的な運動実施時間帯の違いが血糖値変動に及ぼす影響について検討する必要がある。そのため、今後は、異なる運動実施時間帯における長期間の持久性運動が血糖値変動に及ぼす影響について検討することを目的とし介入研究を行う予定である。また、新たな方向性への発展させていくために採取したサンプルを用いて検討項目を増やしていく予定である。
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Causes of Carryover |
2021年度、実施した実験の結果を基に血中の糖代謝関連指標の検討を行う予定であったが、コロナの影響により分析依頼ができなかった。また、今回の結果のままでなく追加測定を行いより詳細に検討することと計画を変更したため、未使用額が生じた。 そのため、追加測定および解析を行うこととし、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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Research Products
(10 results)