2022 Fiscal Year Research-status Report
細分化した転倒リスクに応じたテーラーメイド型転倒予防プログラムの構築
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20K19696
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
大坂 裕 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (90550385)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 転倒予防 / 地域在住高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、転倒の種類を細分化し、地域在住高齢者を対象に生活習慣の聴取や体力測定など簡単なスクリーニングを行うことで、将来的に発生する転倒の種類を判別することができるかを明らかにすることである。さらに、細分化した転倒リスクに応じて個別の転倒予防対策を立案することによる介入が転倒新規発生の抑制に繋がるかを解明する。 令和2年度、令和3年度は転倒の種類の細分化を行うとともに、細分化した転倒リスクと関連する身体機能因子を抽出するために、地域在住高齢者約80名を対象に握力、バランス能力、歩行能力、体組成などの身体機能測定、運動習慣や活動量など生活状況の調査ならびに過去1年の転倒歴や転倒についての詳細な聴取を含めた実施調査を行った。 令和4年度は引き続き地域在住高齢者約30名の身体機能測定を実施し、令和2年度、3年度の調査結果と合わせてこれまでに発生した転倒および将来的に発生する転倒について詳細な聴取を行い、転倒種類のカテゴライズ化を試みた。地域在住高齢者における転倒発生件数が少なく、詳細な分析が実施できていない状況である。 現在では、引き続き地域在住高齢者の転倒に関する調査を進めるとともに、これまで実施した調査の対象者に前向きの転倒発生について追跡調査を行っている段階である。また、転倒の種類の細分化をさらに詳細にするために、地域在住高齢者の転倒調査に加えて急性期総合病院における院内転倒についても併せて調査を行い、包括的な転倒のリスク検出を目指す。今後も継続して実施調査を行い、転倒の細分化に対応するリスクの検出、新たな転倒予防手法の構築を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は地域在住高齢者の身体機能測定および転倒についての聴取を含めた実施調査を複数回行い、転倒の種類の細分化とそれに関連する因子の抽出を行うための多変量解析を行う予定であったが、これまで実施した地域在住高齢者における転倒発生件数が少なく、詳細な分析が困難であった。今後は調査対象者を増やして解析を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在調査を行った地域在住高齢者に対しては引き続き追跡調査を行い、ベースライン測定からの将来的な転倒の発生の有無を調べるとともに、新規対象者の測定を進めていく。転倒の種類の細分化をさらに詳細にするために、地域在住高齢者の転倒調査に加えて急性期総合病院における院内転倒についても併せて調査を行い、包括的な転倒のリスク検出を目指す。 後ろ向きの転倒発生状況およびベースライン測定からの前向き転倒発生状況を合わせて調査し、転倒の種類の細分化を行い、それに対応する転倒リスクの抽出を行うことによって、将来的に発生する転倒の種類を判別できるスクリーニング手法の確立を目指す。また、細分化した転倒リスクに応じた個別的転倒予防対策による介入が転倒新規発生の抑制に繋がるかを解明する。
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Causes of Carryover |
令和4年度に予定通り実施調査が行えなかったため、調査のための出張旅費、人件費が予定通り執行されていない。また、研究成果の公表として、学術大会での発表、論文投稿を予定しているため、学会出張費と論文投稿にかかる諸費用(英文校正代金、掲載料金等)が執行されていない。 令和5年度は引き続き地域在住高齢者の身体機能、生活状況調査を行う予定である。そのため、次年度研究費は調査研究出張旅費、実験計測装置の補充に使用する予定である。また、研究成果を発表するための学会出張旅費、論文投稿料にも充当する予定である。
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