2020 Fiscal Year Research-status Report
脈絡膜循環動態と形態を用いた新たな他覚的ストレス評価法の開発
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20K19698
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Research Institution | Fukuoka International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
橋本 勇希 福岡国際医療福祉大学, 医療学部, 准教授 (90849689)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストレス / 脈絡膜 / レーザースペックルフローグラフィー / 深部強調画像光干渉断層計 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代の日本ではストレス社会が問題となっている。ストレスが原因で身体的・心理的な異常を来すことがあり、例えば眼科領域ではストレスによる交感神経の亢進が原因で発症する中心性漿液性脈絡網膜症(central serous chorioretinopathy: CSC)が有名である。 我々は過去に、レーザースペックルフローグラフィー(laser speckle flowgraphy: LSFG)で脈絡膜循環動態を、深部強調画像光干渉断層計(enhanced depth imaging optical coherence tomography: EDI-OCT)で脈絡膜形態を測定し、CSC眼では交感神経が亢進している急性期に脈絡膜循環動態が上昇し脈絡膜が肥厚すること、一方寛解期では両者が減少することを報告した。このことから、ストレス状態にある健常者においても、CSC眼と同様に脈絡膜循環動態および形態の変化が生じている可能性がある。しかし、ストレスの状態やその程度が脈絡膜循環および脈絡膜形態とどのように関連しているかについては依然として不明である。 そこで本研究では、健常者における自覚的なストレス状態やその程度と、眼科一般診療で使用されるLSFGとEDI-OCTによって得られる脈絡膜血流速度および脈絡膜形態の関連について解析することで、LSFGとEDI-OCTによる脈絡膜所見を用いた新たな他覚的なストレス評価法を開発し、その有用性を検証することである。 令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、当初計画していた被験者の測定やデータ解析が実施できなかったが、この間に感染症対策を意識した研究環境の整備を実施した。また、その他の研究物品や研究補助者の確保など含め全ての準備が完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、当初計画していた予定での研究を実施することができなかったため、進捗がやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により当初予定していた被験者の測定やデータ解析が実施できなかった。しかし、この間に感染症対策を意識した研究環境の整備を実施したこと、研究物品や研究補助者の確保など含め全ての準備が整ったことから、令和3年5月から順次測定を開始するための被験者選定および日程調整を完了している状況である。 以上のことから、今後本研究は当初の計画通り進捗していくと考えており、今年度中に本研究内容を学会発表し、論文の執筆および投稿まで行う予定である。
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Causes of Carryover |
令和2年度は新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、旅費や人件費・謝金での支出がなかっため次年度使用額が生じた。よって、令和3年度に旅費や人件費、英文論文校正料や論文掲載料などで使用する予定である。
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