2021 Fiscal Year Research-status Report
脈絡膜循環動態と形態を用いた新たな他覚的ストレス評価法の開発
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20K19698
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Research Institution | Fukuoka International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
橋本 勇希 福岡国際医療福祉大学, 医療学部, 准教授 (90849689)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ストレス / 交感神経 / 脈絡膜循環動態 / 脈絡膜形態 / laser speckle flowgraphy / 深部強調画像光干渉断層計 |
Outline of Annual Research Achievements |
①低い外気温に暴露する冷却ストレスにより人体では主に熱損失に対して恒常性を維持するために交感神経を活性化させる反応を示すことから、寒冷刺激試験を行いlaser speckle flowgraphy(LSFG)と深部強調画像光干渉断層計であるenhanced depth imaging optical coherence tomography(EDI-OCT)を用いて脈絡膜循環動態と形態の経時変化を検討した。その結果、寒冷刺激試験直後に全身の循環動態の上昇に伴い脈絡膜循環動態は上昇、脈絡膜形態は減少した。 ②正常月経周期の黄体期中期は卵胞期後期に比べて交感神経が亢進し、血圧が上昇することが報告されていることから、黄体期中期と卵胞期後期にLSFGとEDI-OCTを実施した。その結果、黄体期中期は卵胞期後期と比較して全身の循環動態の上昇に伴い、脈絡膜循環動態は上昇、脈絡膜形態は減少した。 ③日中は交感神経が亢進し血圧が上昇すること、夜間は副交感神経が亢進し血圧が低下するとが知られている。以上のことから、脈絡膜循環動態と脈絡膜形態の日内変動について、LSFGとEDI-OCTを用いて検討した。その結果、日中に脈絡膜循環動態が上昇し脈絡膜形態が減少した。一方、夜間に脈絡膜循環動態は低下し脈絡膜形態が増加した。 ①~③の検討から、交感神経が亢進することで全身の循環動態が上昇し、それに伴い脈絡膜循環動態は上昇し、脈絡膜形態が減少することが示唆された。よって、両機器によって得られた脈絡膜所見を用いた他覚的なストレス評価法の開発および有用性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ストレスや交感神経亢進についていくつかの小テーマに分けて研究を進めている。研究の成果については勉強会や研究会、学会などで積極的に発表し、現在英文論文を投稿している。
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Strategy for Future Research Activity |
データ測定を進めると共に、論文掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、参加した学会がハイブリット対応であったため旅費が発生しなかったことが大きい。翌年度分として請求した助成金は主に学会等の発表および論文掲載に関わる費用として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)