2020 Fiscal Year Research-status Report
朝食のタンパク質不足が筋肥大を抑制する分子メカニズムの解明
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20K19710
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
青山 晋也 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (00757677)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | タンパク質栄養 / 筋肥大 / オートファジー / 時計遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、朝食のタンパク質摂取不足が筋肥大を抑制する分子メカニズムの解明を目的としている。これまでにマウスを1日2食(活動期初期の食餌を朝食、後期の食餌を夕食と定義した)の時間制限給餌で飼育し、その後協働筋切除モデルにより筋肥大を誘導した場合、朝食にタンパク質を不足したマウスは均等摂取や朝食に不足しているマウスに比べて、筋肥大が抑制されることを見出している。また、この朝食タンパク質不足マウスの肥大筋ではオートファジーマーカーの一つであるLC3-IIレベルが夕食で不足しているマウスに比べ低いことを見つけている。本年度はClock mutantマウスや筋特異的Bmal1ノックアウトマウスを用いて同様の検討を行い、概日時計の関与について検討行った。まず骨格筋の肥大については朝食にタンパク質が不足しているマウスでは、夕食に不足しているマウスに比べて筋肥大が抑制されており、その傾向はClock mutantマウスや筋特異的Bmal1ノックアウトマウスでは観察されなかった。またオートファジーマーカーについても朝食のタンパク質が不足でみられるLC3-IIレベルの低下はClock mutantマウスや筋特異的Bmal1ノックアウトマウスではみられず、夕食後のLC3-IIの低下には概日時計が関わっている可能性が示された。これらのマウスではLC3-IIの応答だけでなく、筋分化に関わる因子であるMYF5のタンパク質レベルについても同様の傾向を示し、野生型マウスでみられた朝食にタンパク質を十分に食べたマウスのMYF5の増加傾向が、Clock mutantマウスや筋特異的Bmal1ノックアウトマウスでは見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
朝食タンパク質不足による筋肥大抑制機構について2種の時計遺伝子改変マウスを用いて検討し、オートファジーや筋分化関連因子の応答に対する概日時計の関与の可能性について見出しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度では、骨格筋培養細胞を用いた検討も併せて行い、朝食不足による影響と時計遺伝子との関わりについてより詳細な分子メカニズムの解明を目指す。
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Causes of Carryover |
培養細胞を用いた予備検討に少し時間を要したため、一部細胞培養関連試薬の購入を次年度に繰り越し、次年度使用額が生じた。培養筋細胞を用いたアミノ酸応答に関する実験に必要な培地の購入に充てる予定。
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Research Products
(5 results)