2020 Fiscal Year Research-status Report
睡眠-覚醒リズムの変動による健康影響に対して脆弱性を規定する食生活要因の解明
Project/Area Number |
20K19720
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
吉崎 貴大 東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (50732830)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 時間栄養学 / 睡眠覚醒リズム / アクチグラフ / 血糖変動 / 食事 |
Outline of Annual Research Achievements |
学校や仕事などによる社会的時間制約で,個人の指向性とは異なる睡眠-覚醒リズムの変動による体内時計との乖離状態は,健康問題を生じる可能性が報告されている.本研究は,睡眠-覚醒リズムの変動による体内時計との時間的乖離と健康指標との関連に対する食生活の影響を検討することを目的とした.2020年度は,若年者を対象とした横断研究を実施し,日常生活下における活動-休息リズムをアクチグラフや睡眠日誌を用いて把握した.さらに食事記録および食事歴法質問票,さらには基本特性に関わる質問票への回答を依頼した.その結果,睡眠中間時刻を示すMSFscはたんぱく質摂取量,穀類および卵類摂取量,さらには食事バランススコアと有意な関連を示したが,週末に対して平日の睡眠タイミングが早いことは,菓子類の摂取量が多いことと有意な関連を示し,報酬系との関連を示唆する結果となった.さらに,一部の参加者においては,フラッシュグルコースモニタリングシステム(FGM)を用いて1週間の血糖変動を把握したところ,夜型傾向を持つ者では,夜間睡眠時や週末の間質液中のグルコース値は,朝型傾向を持つ者に比べて高値を示すことが明らかとなった.この結果は,各個人における各曜日の起床時刻を基準とした血糖変動で考慮しても,同様の傾向がみられた.これらの結果に対しては,時間軸を合わせた食事記録の解析結果を突き合せた詳細な検討が必要であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
感染症対策に関わる測定対象者の移動制限等,また入校等の制限による影響があり,計画の実施が部分的であったものの,一部の結果については論文としてまとめ,既に国際誌にアクセプトされている.また,次の論文投稿に向けてデータセットを整理し,新たな解析にも着手している.
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Strategy for Future Research Activity |
FGMで得られた血糖変動について朝型夜型指向性による解析に留まらず,日々の睡眠-覚醒リズムの不規則さを定量化した指標との関連解析も行う.なお,日々の変動に関しては,夜間睡眠指標に加え,食事摂取量を時系列に展開したデータの解析も行う.質問紙によって得られたデータについては,血糖変動や食事摂取量の不規則さを定量化し,健康指標との関連解析について検討する.なお,得られた成果は適宜,学会や学術雑誌にて報告する.
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Causes of Carryover |
感染症対策に関連して実施できなかった計画について,それに起因する消耗品,謝金,さらには学会発表等に計上した宿泊・交通費を使用しなかったことによる部分が大きい.生じた次年度使用額については,2020年度に実施できなかった計画への消耗品,論文投稿・掲載料,学会等へ参加するための旅費等に使用する予定である.
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Research Products
(7 results)
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[Book] 時間栄養学2020
Author(s)
柴田 重信
Total Pages
256
Publisher
化学同人
ISBN
978-4-7598-2036-2
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