2023 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠-覚醒リズムの変動による健康影響に対して脆弱性を規定する食生活要因の解明
Project/Area Number |
20K19720
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
吉崎 貴大 東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (50732830)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 休息活動リズム / 不規則な生活 / 食事 / 栄養 / 心身の健康 / 睡眠の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
不規則な生活や学校や仕事などの社会的時間制約で個人の指向性とは異なる休息活動リズムの変動によって生じる生体リズムとの乖離状態を包括的に評価し、食生活および心身の健康指標との関連を検討した報告は未だ十分でない。そこで、本研究は健康な若年者を対象に、休息活動リズムの変動が大きい者の生活習慣上の特徴を探索し、心身の健康との関連性を明らかにすることを目的とした。研究デザインは横断研究とし、対象は健康な若年者131名(19-29歳)とした。測定項目は自記式質問票による一般特性、主観的健康観や睡眠の質といった心身の健康状態、栄養素等摂取量、日常生活条件下の休息活動リズムとした。休息活動リズムをもとに、日々の24時間リズムの類似性を示すinterdaily stability(以下、IS)を算出した。ISが高値であるほど類似性が高いことを反映する。解析対象者は7日間の活動数のデータを取得できなかった者3名、測定期間中に非日常的なイベントがあった者2名、習慣的なエネルギー摂取量が極端(±1.0パーセンタイル)であった者4名を除外し、122名とした。解析にはR(ver. 4.2.2)およびRStudio(ver. 2022.12.0+353)を使用し、統計的有意水準は両側検定にて5%とした。参加者の休息活動リズムのISの平均値(標準偏差)は0.55(0.12)であった。ISが高いグループは低いグループに比べ、主観的健康観が高く、朝型指向性の者が多く、PSQI得点が閾値以上(6点)の者が少なかった。習慣的なエネルギー摂取量や食品群別摂取量、あるいは食事全体の質を反映するスコアは、ISと有意な関連はみられなかった。主観的健康観あるいはPSQI得点を従属変数とし、ISおよび交絡変数を独立変数とした解析では、ISが高いほど主観的健康観、あるいは睡眠の質が統計的に有意に高いという関連が得られた。
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