2021 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病を制御する環状ホスファチジン酸の生合成機構の解明
Project/Area Number |
20K19732
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
北風 圭介 川崎医科大学, 医学部, 助教 (80840545)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脂質メディエーター / 環状ホスファチジン酸 / リゾホスファチジン酸 / グリセロホスホジエステラーゼ / 生活習慣病 / 蛍光基質 |
Outline of Annual Research Achievements |
環状ホスファチジン酸(cyclic phosphatidic acid:cPA)はリゾホスファチジン酸(LPA)と類似した構造でありながら、特徴的な環状構造を持つ脂質メディエーターであり、LPA受容体やペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ (PPARγ)を標的とすることが報告されている。その結果、cPAは血管内膜肥厚の抑制(動脈硬化予防)や変形性関節症病態の抑制といった多彩な生理活性を示すことから、cPAと生活習慣病や加齢性疾患との関連が注目されている。cPAの生合成経路としては、血清中のオートタキシン(ATX)によってリゾホスファチジルコリン(LPC)からLPAとcPAが生成することが報告されている。一方で、細胞内においてはリゾホス ホリパーゼD型酵素によってLPCからLPAとcPAが生成することが推測されているが、責任酵素の同定には至っていない。近年、グリセロホスホジエステラーゼ(GDE)・ファミリーが細胞内でLPAを産生するリゾホスホリパーゼD型酵素であることが報告され、予備的研究により、GDEがcPA生合成活性を持つ可能性が考えられた。そこで、本研究ではGDEのcPA生合成活性の評価を行った。本年度はGDEの過剰発現あるいはGDEを内在性に高発現する癌細胞株を用い、細胞内のcPA生合成活性を評価した。また、蛍光基質を用いたGDE酵素活性を選択的かつ簡便に測定できるアッセイ系を確立し、阻害薬を複数見出した。GDE活性と細胞内cPA量はよく相関しており、GDEが細胞内でcPA生合成活性を持つことが強く示唆された。
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Research Products
(26 results)
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[Presentation] Identification of a chemical chaperone for mitigating protein aggregation and proteotoxicity during endoplasmic reticulum stress2021
Author(s)
Keisuke Kitakaze, Shusuke Taniuchi, Eri Kawano, Yoshimasa Hamada, Masato Miyake, Miho Oyadomari, Hirotatsu Kojima, Hidetaka Kosako, Tomoko Kuribara, Suguru Yoshida, Takamitsu Hosoya, Seiichi Oyadomari
Organizer
Experimental Biology 2021
Int'l Joint Research
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[Presentation] Role of Acid Ceramidase in the Hydrolysis of Anti-inflammatory and Anorexic N-Acylethanolamines2021
Author(s)
Kazuhito Tsuboi, Tatsuya Tai, Ryouhei Yamashita, Hanif Ali, Takashi Watanabe, Toru Uyama, Yoko Okamoto, Keisuke Kitakaze, Yasuhiro Takenouchi, Shinji Go, Iffat Rahman, Hitoshi Houchi, Tamotsu Tanaka, Yasuo Okamoto, Akira Tokumura, Junko Matsuda, Natsuo Ueda
Organizer
Experimental Biology 2021
Int'l Joint Research
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[Presentation] ATF4を介した転写制御は小胞体ストレスによる膵β細胞の喪失を防ぐ2021
Author(s)
北風圭介, 親泊美帆, 張君, 濱田良真, 竹之内康広, 坪井一人, 稲垣舞, 立川正憲, 藤谷与士夫, 岡本安雄, 親泊政一
Organizer
第62回日本生化学会中国・四国支部例会
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