2022 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの嗅覚に起因した情動変化に伴う食物嫌悪出現の特徴とメカニズム
Project/Area Number |
20K19733
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Research Institution | Hiroshima Jogakuin University |
Principal Investigator |
石長 孝二郎 広島女学院大学, 人間生活学部, 教授 (80574459)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 食物臭嫌悪 / 情動 / におい / 食嗜好 / ビジュアルアナログスケール |
Outline of Annual Research Achievements |
混合臭を嗅いだ際に認知できる食物の特性と情動との関連 【目的】食物の混合されたにおいをヒトはどの程度認知できるか把握する。また,食物のにおい認知と食物臭嫌悪を誘導する情動との関連を検討する。【方法】あらかじめ単独試料のにおいを学習させ,その際ににおいに誘導される情動(快・不快)をビジュアルアナログスケール(VAS)で評価させた。その後に,2種混合のにおいの同定検査を実施し,提示した6種類の中から2種類のにおいを選択させた。その際に混合のにおいに誘導される情動(快・不快)もVASで評価させ,単独試料の評価と比較した。【結果】2種混合でもバナナ(正解率85.3%),煮魚煮汁(正解率82.4%),グレープフルーツ果汁(正解率70.6%)はにおいを認知されやすかった。ただし,臭気指数が高く,快なにおいのグレープフルーツ果汁よりも,不快なにおいのバナナと煮魚煮汁の方が高い正解率で認知された。また,不快なにおいである煮魚煮汁(VAS37.5点)と快なにおいであるグレープフルーツ果汁(VAS80.0点)を混合すると,さらに不快な情動が強くなった(混合VAS15.5点)。【結論】ヒトは食物のにおいを2種混合しても,1つ1つのにおいを別々に認知することができ,その認知する能力は食物のにおいの強さや質だけでなく,そのにおいに誘導される情動(特に不快)が深く関わっている可能性が示唆された。 その他の報告として,運動負荷により身体活動が上昇した際の味やにおいに誘導される食嗜好や情動の変化では運動負荷と味覚は関連するが、運動負荷と嗅覚は関係性はなかった。そして,香味野菜・香辛料を活用した食物の臭いに対する気分の快・不快の相違では,香味野菜の生姜や香辛料のカレー粉の不快な気分のニオイの抑制効果は,不快なニオイの強さの程度と香味野菜や香辛料の最適な閾値が関係しているのかも知れないと思われた。
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Research Products
(3 results)