2020 Fiscal Year Research-status Report
絶食・社会ストレス時の栄養素摂取におけるCRH神経活動・AMPK活性変動の解析
Project/Area Number |
20K19735
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
傅 欧 生理学研究所, 生体機能調節研究領域, NIPSリサーチフェロー (20853782)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食物選択 / 栄養素 / CRHニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
生体には、味など嗜好性に応じて食物を選択する仕組みの他に、体内の代謝変化に応じて、栄養素を選択的に摂取する恒常性維持のための食物選択機構が存在する。例えば、通常飼育時のマウスは糖質より脂質を摂取するが、絶食時においてはAMPキナーゼを介して視床下部室傍核の一部のCRHニューロンが活性化することによって再摂食時に炭水化物摂取が高まり、糖代謝を改善する。また、CRHニューロンが絶食だけでなく、社会的ストレスによっても活性化し、炭水化物の多食を引き起こすことを見出している。しかし、絶食・ストレス時にCRHニューロン活動と同ニューロンのAMPK活性がどのように変化し、食物・栄養素の摂取を調節しているのが不明である。本研究では、細胞内カルシウム濃度センサーやAMPK活性をモニターするFRETバイオセンサーを導入したマウスを用いて、各種食物を摂食する時のCRHニューロンの活動と同ニューロンにおけるAMPK活性の変化をリアルタイムに測定することを実施していく。 CRHニューロン特異的に細胞内カルシウム濃度センサーを導入したマウスを用いて、自由行動時のCRHニューロンのリアルタイム測定に成功している。絶食時時において、栄養素の種類によってCRHニューロンの応答が異なることを想定し、食物摂取試験や溶液リック試験でCRHニューロンの応答測定を行うことを実施している。 今後はCRHニューロンのAMPK活性のリアルタイム測定や社会ストレス時において栄養素摂取時のCRH活動の測定を実施していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ファイバーフォトメトリー法を用いたCRHニューロンの神経活動のリアルタイム測定に成功し、当初の計画に沿った行動解析が実施できているため。また、食物の視覚情報によるCRH神経活動の抑制効果を軽減するため、胃内投与試験で視覚栄養素の食後効果によるCRHニューロンの活動の測定を実施する準備を行った
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降の計画についても、順次、実行していく。
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Causes of Carryover |
追加実験(胃内投与)の設備購入で前倒し申請した額から一部使用し、残額は次年度の継続実験で使用する予定です。
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