2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of sarcopenia pathology focusing on skeletal muscle quality
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20K19737
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
大村 卓也 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40848420)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サルコペニア / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
代謝変換(解糖系⇔酸化系)を伴う筋線維タイプの可塑性が骨格筋の質を規定するという概念に基づいて,サルコペニアの病態を解明し有効な予防・治療方法の開発を目指す. 筋量や筋力の低下に注目していては,サルコペニア前期・早期の病態の検出が困難なことから,先行して生じる骨格筋の質や機能の変化に注目する必要がある.しかしながら,動的に変化する筋線維タイプ組成をリアルタイムに評価することの技術的制約から,筋線維タイプ可塑性や骨格筋の代謝変換に注目した先行研究はほとんど存在しない. 蛍光タンパク質によって全ての筋線維タイプを生きたまま識別可能な MusColorマウスの新しい技術を用いて,① in vitro exerciseモデル,② in vivoサルコペニア評価法,の確立に着手した.MusColorマウスの骨格筋から筋衛星細胞を採取し,cell linesの樹立に成功した.樹立された細胞を用いて,筋線維タイプ変換を誘導しうる薬剤のスクリーニングに着手し,複数の候補を同定した. とくにスクリーニングで同定されたケモカインの一つであるChemokine (C-C motif) ligand 19(CCL19)に注目し,詳細な解析を進めている.CCL19は加齢に伴って血中濃度が上昇することを動物実験で予備的に見出しており,筋線維タイプ変換を誘導しうることと併せて,その加齢に伴う上昇は何らかの生理的・病的意義を有する可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MusColorマウスを用いて,in vitroで,筋線維タイプを変化させうる条件(運動刺激,化合物,栄養)を検討した.筋線維タイプ変換によって生じた細胞の代謝変化の検討につても併せて検討した.スクリーニングにより,筋線維タイプ変換誘導因子を同定しつつある. マウス歩行特性を質的かつ定量的に評価する新指標の開発に着手している.8・18・26ヵ月齢の各マウスの運動(running wheelで1ヶ月間の運動)前後の歩行特性の変化を,ErasmusLadderやCatWalk装置等を用いて定量化し,加齢に伴う歩行特性の変化を捉えることに一部成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
スクリーニングにより,筋線維タイプ変換誘導因子を同定しつつある.スクリーニング・ターゲットの幅を広げ,筋線維タイプ変換を誘導する条件を網羅的に同定する. 同定された誘導因子が,骨格筋に与える影響,そのメカニズム,サルコペニアを含む筋疾患との関連を検討していく.
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