2020 Fiscal Year Research-status Report
母体腸内細菌由来ポリアミンが仔の発育に与えるオートファジーを介した影響
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20K19738
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Research Institution | Kyodo Milk Industry Co., Ltd. |
Principal Investigator |
久米 愛子 協同乳業株式会社研究所, 研究所, 研究員 (30782536)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ポリアミン / 腸内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポリアミンは、細胞成長などに関わる他、抗炎症作用やオートファジー誘導作用などといった様々な作用を有する物質である。生体内では主にプトレッシン、スペルミジンおよびスペルミンの3種類のポリアミンが存在し、動物体内で合成される内因性ポリアミンの他に、外因性ポリアミンとして、食餌および腸内細菌由来のものが生体に供給される。 本年は、①腸内細菌由来ポリアミンの妊娠マウスへの作用を検討するために、内因性ポリアミンおよび食餌由来ポリアミンを除去した妊娠マウスモデルを作製し、また、②腸内細菌由来ポリアミンの宿主オートファジーへの関与をノトバイオートマウスを用いて検討した。 ①本目的達成のためDifluoromethylornithine(DFMO)と低ポリアミン飼料を併用する方法を構築した。12.5 dpcから妊娠マウスに対して内因性および食餌由来ポリアミンの除去処理を行った結果、DFMO濃度依存的に胎仔組織内のポリアミン濃度や胎仔重量は低下した。また、産仔数に有意な変化は認められなかったが、出生後の仔マウスの生存率はDFMO濃度依存的に低下した。以上の結果から、仔マウスの発育に対するポリアミンの重要性を確認し、また、成長後の仔マウスの発達を評価するモデルとして、生後28日の仔マウスの生存率が50%となる投与条件を確立した。 ②ポリアミン合成または非合成大腸菌を定着させたノトバイオートマウスの大腸でオートファジーを評価した。その結果、ポリアミン非合成大腸菌定着マウスの腸管上皮細胞内のオートファゴソーム数は、ポリアミン合成大腸菌定着マウスのそれよりも有意に少なく、腸内細菌由来ポリアミンの宿主オートファジーへの関与を認めた。腸管以外の組織は現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
薬剤投与濃度および投与経路の検討に予想以上に時間がかかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今回作製したモデルの腸内細菌由来ポリアミン量を操作して仔マウスの発育・発達への影響を検討する。また、ポリアミン濃度の低下が認められた胎仔組織のオートファジーの誘導レベルを評価する。
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Causes of Carryover |
薬剤投与濃度および投与経路の検討に予想以上に時間がかかったことから、予定していた実験をすべて行うことが出来ず、購入予定だった試薬等が未購入のため。 次年度にマウスの行動解析と組織学的解析を行う。
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