2022 Fiscal Year Research-status Report
Exploration into Matroid Common Base Packing Problem
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20K19743
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 勇太郎 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 准教授 (30780895)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マトロイド / 組合せ最適化 / アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
マトロイド交叉分割に対する外側からのアプローチを考えている.マトロイド交叉分割は 3 マトロイド交叉の特殊ケースと見なせるが,3 マトロイド交叉問題は 3 次元マッチング問題やハミルトン閉路問題などの NP 困難な問題を含み,相当簡単なマトロイドに制限したとしても扱いやすい問題ではない.一方で,3 つのマトロイドを独立に選ばず,互いに関連させたような特殊ケースを考えると,扱いやすい場合がある.このような状況から,3 マトロイド交叉として捉えた場合に,「扱いやすさはどのような条件から導かれるのか」「どのような条件が扱いやすさに必要なのか」という観点からマトロイド交叉分割を再考している. マトロイド単体ではなくマトロイド交叉の離散構造としての扱いやすさの本質を追究する観点から,情報を制限したマトロイド交叉問題に対する研究も引き続き行っている.未だに完全解決には至っていないが,様々な情報の制限の仕方に対してある程度まとまった成果が得られたため,それらをまとめて未解決部分を問う論文を執筆した.当該論文は年度内に論文誌採録が決定し,その後の研究でさらに部分的な進展も得ている. マトロイド交叉の特殊ケースである 2 部マッチングに関する問題である割当問題に対して,古くから知られたハンガリー法の新たな変種とも見なせるアルゴリズムを設計し,ゲーム理論における公平分割問題に対する応用例とともに提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前述の通り,新しいアプローチへの展開が見られることと,副産物的にいくつかの成果が得られていることは期待以上である. 一方で,元のボトムアップ的なアプローチからの進展は特に無く,全体として計画以上とまでは言えない.
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Strategy for Future Research Activity |
前述した 3 マトロイド交叉としての観点からの研究を推進する. また,情報を制限したマトロイド交叉問題に対する完全解決を目指す.
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Causes of Carryover |
各問題について国内外の共同研究者と推進しており,実際に訪問して密な議論を行って進めている.昨年度までは情勢的にほぼ不可能であったが,ワクチンの普及等により,今年度はある程度予定通り行えた.物価(特に航空券代)の高騰により,想定以上の支出が見込まれていたが,幸いにも本研究費以外からも旅費等に関する補助を得られたため,依然として繰越が生じている.今年度は他に大きな補助が無ければ予定通り残額を執行して研究を推進する見込みである.
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