2022 Fiscal Year Annual Research Report
Data analysis based on combinatorial structures
Project/Area Number |
20K19747
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鮭川 矩義 筑波大学, システム情報系, 助教 (20757710)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 組合せ構造 / データ解析 / カオス / 社会的選択理論 / アルゴリズム / 数理最適化 / 整数論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では組合せ構造を活用してデータ解析手法を高性能化する技術を開発した。具体的には、(i)社会科学分野における社会的選択理論の問題、非線形力学分野における (ii) カオス応答写像の実装で生じる周期の問題、(iii) マーク付き点過程データの中央値計算の問題を扱った。各問題に対して、当該分野で従来用いられてきたモデルを、そこに内在する組合せ構造を意識して刷新し、組合せ構造に特化したアルゴリズムや最適化の技術の効果的な応用を可能にした。 最終年度は (iii)と(ii)に取り組んだ。(iii)昨年度までに確立した中央値計算のモデルをデータにおけるイベントの重複を許容する設定に拡張し、地震の予測の問題に応用し、従来手法よりも予測精度が向上することを実験的に示した。(ii):非線形力学の分野におけるモデルやアルゴリズムの設計や解析で基本的な役割を果たす、カオス応答写像と呼ばれる写像がある。同写像の出力は長い周期を持つことが望まれる。入力が無理数なら周期は無限となるが、入力が有理数なら出力が有限となることが実用上の問題点として指摘されてきた。この問題を解決するために、写像を定める式や空間を「摂動」する方法が従来から用いられてきたが、摂動のパラメータの設定方法が未解決の問題となっていた。本研究では、パラメータの設定の問題を、整数論における原始根の言葉で記述しなおし、良い性質を満たすパラメータは任意に指定されたビッド数に対して存在することが期待されるが、そのことを厳密に証明することは難しい問題であることを指摘した。具体的には、同主張の証明は、原始根に関するArtin予想の証明を与えることを指摘した。一方で、良い性質を持つパラメータのリストを与え、実用上の課題の解決に寄与した。
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Research Products
(7 results)