2023 Fiscal Year Research-status Report
干渉除去技術を用いた複数端末連携による高信頼・低遅延無線ネットワーク構築
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20K19787
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
小林 真 広島市立大学, 情報科学研究科, 助教 (00843509)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 無線ネットワーク / ワイヤレスセンシング / 無線通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は,屋外環境において実空間と柔軟な仮想空間とを融合することで,人間にとって快適・安全な空間の実現を目指している.既存のISMバンドを用いた無線センサネットワークによる実空間と仮想空間融合の取り組みでは,信頼性が低く,遅延が大きいという問題があった.本研究では,実空間と仮想空間の密な融合に向けて,高信頼・低遅延無線ネットワークの構築を目的としている. 本年度は,電波伝搬環境に関する測定,送信を,自己干渉除去を用いたアップリンクダウンリンク送信制御に関する研究,ミリ波を用いたビーム変調に関する研究を行った.電波伝搬環境測定では,地中の電波伝搬の特性について計測を行った.農業や土砂災害検知のためのセンシングのために地中との高信頼な無線ネットワークの構築するためのデータを取得する事ができた.成果の一部は論文誌として出版された.これらの結果は土壌水分量推定手法の基礎となるものである.また,電波を用いた被災者検知手法に関する検討を実機実験およびシミュレーションによりおこなった.電波の減衰量から被災者がもつ電波発信機の場所を特定する手法について設計をおこなった.このテーマについては国内学会において発表をおこなった.自己干渉除去を用いた通信における伝送レート制御に関する研究では,低遅延な無線ネットワークを実現するために自己干渉除去技術を用いた無線ネットワークを構築するために必要なアップリンクダウンリンク送信制御手法に関する研究は論文誌IEEE Accessにおいて出版された.また,ビーム変調に関する研究では基礎的な評価をおこなって,国際会議で発表をおこなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画した内容に対して,順調かそれ以上に進捗した小項目がある一方で,外来波キャンセリングの大きな柱の一つであると考えていた項目については進捗が芳しくなかった.これは取り組んだ結果として,技術的な困難さが明らかとなったためである.ただ,全体としては,順調に進捗したと言える. ミリ波を用いた高信頼無線ネットワークに関する研究では国際会議において発表をおこなった.各研究についても全体としては論文誌に出版されておおむね順調に進捗していると考えている.電波環境に関する調査については論文誌へ投稿した. 英語論文誌への採択数が少ない点については進捗が芳しくない側面であると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究テーマの予算についてはほぼ執行を終わっていて,発表をおこなうために年度延長の申請を行っている.研究自体の大きな進捗は本研究テーマにおいて念頭においていない.これまでに取り組んだ内容をとりまとめて国際論文誌等への投稿の準備をすすめる.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響等で学会発表に参加する機会がすくなくなったため.残額はこれまでの研究内容のとりまとめに用いる.
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