2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study of Opportunistic Routing Considering Various Factors in Real Environments
Project/Area Number |
20K19789
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 託 芝浦工業大学, システム理工学部, 助教 (40775243)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 無線マルチホップネットワーク / アドホックネットワーク / 無線センサネットワーク / 非均質性 / Opportunistic Routing |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、無線マルチホップネットワークにおける柔軟なデータの中継を実現するOpportunistic Routing(OR)において,実環境にORを適用したときに想定される非均質性を扱うため,研究計画に基づき以下の(1)と(2)のそれぞれについて研究を実施した. (1)端末の非均質性を含んだ環境での特性解析,特性に基づく問題定義,及びその解決手法 本年度の主たる検討として,端末に性能差があることを想定し,端末間の無線リンクの品質が非対称となる状況を仮定して,シミュレーションを用いた詳細な特性解析を行った.結果より,既存の待機時間に基づくORでは,通信品質が非対称となっているリンクが存在する場合,性能低下が発生することが結果より示され,その発生手順の明確化し,これを待機時間に基づくORにおける非対称リンク問題として定義した.また,その問題の解決策のひとつとして,各中継端末がリンクの対称性の確認と,対称性に基づく宛先端末への到達性を確認することを挙げ,非対称リンクが存在する環境下において,性能低下の抑制を実現した. (2)環境の非均質性についての影響を実環境において実機を用いた予備調査及び解析 次年度の検討に向けて,通信環境の差異に起因する非均質性がORに与える影響について,実機を用いた実環境での予備的な解析と評価を行った.本検討により,大学構内における通信環境の観測や,それら通信環境変化が待機時間に基づくORの挙動に与える影響を確認した.結果より,実環境では,ORが中継に用いるパラメータを動的に制御する際に適切なパラメータに収束するまでの速度が低下する可能性が考えられることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,当初予定している研究計画に基づき実施した端末の非均質性についての研究に加えて,次年度の検討である通信環境の非均質性についての研究を行うための予備検討を実施した.特に,(1)では,非均質性が与える影響の評価,挙動に基づいた問題の明確化,及び改善手法の提案を実施した.(2)では,次年度検討時に詳細な解析や方式提案を行うための予備的な実験結果が得られた.したがって,これらの理由から当初の研究計画通り一定の結果が得られた.
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定している研究計画に基づき,本年度得られた予備的な実験結果を応用しながら,次年度の検討である通信環境の非均質性を吸収するための方式提案を中心に実施する予定である.また,本年度における検討についても,提案手法の挙動を複数のシミュレーションで確認し,再度詳細な解析を実施する予定である.
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Causes of Carryover |
機器類の購入を想定していたが,初年度ではコロナ禍の影響により次年度に変更した.
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