2020 Fiscal Year Research-status Report
センサに対する電磁波を通じた攻撃手法の評価および対策検討
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20K19800
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
藤本 大介 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60732336)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 計測セキュリティ / 電磁的情報漏えい |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、センサを対象とした物理情報の取得過程におけるセキュリティを従来の直接的な測定メカニズムによる攻撃から間接的な電磁波を用いた攻撃に拡張し、その脅威を検討している。今年度は、電磁波を用いた攻撃により直接信号を取得できない範囲からセンサの情報を取得する攻撃の可能性の検討のために、音声発信を行うスピーカーシステムについて、周辺の電磁的環境や給電ケーブルの接続により周囲に放射する電磁的漏えいが増大することを明らかにした。このことから他のセンサシステムにおいても周辺の電磁的環境に応じて漏えい電磁波の強度が増大し、より遠方での計測タイミングの取得が可能となり攻撃が成立する可能性を示唆した。 また、漏えい電磁波の増大のほかの要因として機器内部のコネクタのメーカー差で異なることを明らかにした。これは、センサとシステムが切り離されている場合はメーカー差の影響を考慮したテストが必要になる可能性を示唆している。 さらに、電磁波を用いた発展的な攻撃である電磁波印加による機器への故障注入に関して、デジタル回路の応答のみを用いた検出回路を設計しその基礎評価及び対策技術の先行開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的としていたセンサ計測システムの計測タイミング情報の電磁波を通じた漏えいのメカニズムのうち、複数の音声発信装置において、漏えい電磁波が増大する条件の抽出に成功しているため、複数の対象に対して同様の評価を行うことにより、スピーカーシステムにおいてではあるがある程度の一般化がなされたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
複数の音声発信装置において、漏えい電磁波が増大する条件の抽出に成功したため、今後は、他のセンサシステムへの拡張を計画している。具体的にはより遠方を測定するためのデバイスであるLidarシステムにおいて電磁波の漏えいの要件抽出を行い、電磁波を通じた計測タイミング情報の漏えいのメカニズムの一般化を行う予定である。
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Research Products
(3 results)