2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K19802
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中村 周平 日本大学, 生産工学部, 助教 (00824038)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多変数多項式暗号 / Rainbow / 直接攻撃 / RBS攻撃 / Tomae-Wolf algorithm / BIPC問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は, 多変数多項式暗号の安全性に関連して以下の研究を行った. (1) Rainbow 暗号に対するRainbow-Band-Separation 攻撃の評価の研究を九州大学の池松泰彦氏, 東京大学の王亜成氏,東京大学の高木剛氏, シンシナティ大学のJintai Ding氏と共に行った. Rainbow暗号は本研究課題の主な対象であり, 現在, 米国立標準技術研究所の耐量子計算機暗号標準化プロジェクトの最終候補となっている. 研究結果は学術雑誌Theoretical Computer Scienceにて発表された. (2) Jiahui Chenらにより2019年に学術雑誌Theoretical Computer Scienceにて発表された暗号化方式の安全性評価を九州大学の池松泰彦氏と共に行った. この結果は, 国際会議第7回International Conference on Mathematics and Computingのプロシーディングとして発表された. (3) 多変数多項式暗号はMQ問題の困難性を安全性の根拠とする. MQ問題を解く方法として, Tomae-Wolf algorithmを利用して解く方法があるが, しらみつぶし探索と組み合わせた手法を, 東京大学の古江弘樹氏, 高木剛氏と共に研究した. 研究結果は国際会議PQCrypto2021で発表された. (4) 2020年にサントソ氏により提案されたBIPC問題を基にした暗号方式に対する解析を, 九州大学の池松泰彦氏, 電気通信大学のバグスサントソ氏, 岡山理科大学の安田貴徳氏と共に行った. 研究結果は国際会議Inscrypt2021で発表された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度に行われたRainbow に対する解析は当初の計画以上に進展したため, 2021年度はその他の多変数多項式暗号への適用することを想定していた. しかしながら, 2020年での進んだ研究でまだ整備するべき部分がいくつか見つかり, それらを実行することに2021年度の研究は割かれた. 総合的に見ると, 当初の研究計画としてはおおむね順調に進展していると思われる.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では2021年度に整備された成果を利用し, Rainbow 暗号以外の多変数多項式暗号や関連する問題への影響について調査を行う. また, 本研究課題終了後への発展を見据え, 最終的な研究報告を様々な学会等で発表することを予定する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスを理由に, 研究課題遂行のための研究環境および研究発表などに影響がでたため, 予定していた目的での費用の使用に変更が生じたことによる. 当影響が続く限り, 予定していた旅費等の出張を目的とした経費を, オンラインでの打合せを行う環境整備のための物品購入等に当てることを計画している.
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