2021 Fiscal Year Research-status Report
秘密情報の抜き取りに耐性を持つイジングモデル暗号化に関する研究
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20K19803
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
多和田 雅師 早稲田大学, グリーン・コンピューティング・システム研究機構, 主任研究員(研究院准教授) (80754887)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | イジングモデル / イジング模型 / 暗号化イジングモデル / 量子アニーリング |
Outline of Annual Research Achievements |
組合せ最適化問題から生成されたイジングモデルに対し,イジングモデルのグラフ構造から元の組合せ最適化問題を再構成する手法を研究した.イジングモデルは組合せ最適化問題を変換して得られるものであり,元の組合せ最適化問題の制約をイジングモデルに埋め込むため,いわば情報が圧縮された状態になっていると考えることができる.イジングモデルの情報が抜き取られることが直ちに元の組合せ最適化問題の情報が抜き取られることを示さない.そこで本研究ではイジングモデルから組合せ最適化問題への逆変換する手法を研究した.イジングモデルから組合せ最適化問題へ逆変換するためには,本来分離されている組合せ最適化問題の制約がイジングモデルでいかに表現されているかを判別しないといけない.制約をイジングモデルに埋め込む手法は多岐にわたるため,その形式ごとに逆変換手法を構築する必要がある.そこで問題クラスを仮定し,制約の種類を限定した上で逆変換を実現した.クラスタ内の数の総和が等しい2クラスタ分割問題に注目し,制約がイジングモデルのパラメタとして比に特徴が現れることをつきとめ逆変換手法を構築した.更にグラフの隣接関係がイジングモデルに埋め込まれる問題に注目し,制約が埋め込まれたイジングモデル上の辺を削除することで元の問題を復元できる逆変換手法を構築した.これらイジングモデルから元の組合せ最適化問題を復元する手法を実現しイジングモデル流出の危険性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画に従い研究を遂行した.元の問題を復元できる逆変換手法を構築しイジングモデル流出の危険性を示した.
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Strategy for Future Research Activity |
当年度であきらかになったイジングモデルの秘密情報抽出の危険性に対処するため,イジングモデルを暗号化し秘密情報の抽出を防御する研究を遂行する.
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Causes of Carryover |
年度末間際の支出が次年度使用となったため次年度使用額が生じた.使用計画は元の研究計画に準ずる.
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