2022 Fiscal Year Research-status Report
秘密情報の抜き取りに耐性を持つイジングモデル暗号化に関する研究
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20K19803
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
多和田 雅師 早稲田大学, グリーン・コンピューティング・システム研究機構, 主任研究員(研究院准教授) (80754887)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | イジングモデル / イジング模型 / 暗号化イジングモデル / 量子アニーリング |
Outline of Annual Research Achievements |
組合せ最適化問題を解くハードウェアとして量子アニーリング等イジングマシンが研究開発されている.量子アニーリング等イジングマシンでは組合せ最適化問題からイジングモデルと呼ばれるデータ構造を構築して入力に使用する.量子アニーリング等イジングマシンがクラウドサービスとして提供されている場合に,イジングモデルは遠隔地に送らなければならずクラウドサービス外部に流出する可能性がある.イジングモデルから元の組合せ最適化問題を再構築する手法が存在し,組合せ最適化問題に埋め込まれている秘匿情報が第三者に盗み出される危険性が示されている. 本研究ではイジングモデルから元の組合せ最適化問題へ再構築されるのを防ぐため,対象となるイジングモデルを,再構築を阻害するイジングモデルに変換する.イジングモデルの外部磁場係数と相互作用係数の値を変更して元の組み合わせ最適化問題への再構築を阻害することを考える.量子アニーリング等イジングマシンによりイジングモデルのエネルギが最小化されるときに元の組合せ最適化問題の解が求まるように,イジングモデルの外部磁場係数と相互作用係数の値は構築されている.エネルギー関数が最小となる解が得られていないとき制約のペナルティ係数の値は最適値が求まらないため,外部磁場係数と相互作用係数に乱択な値を加算しても量子アニーリング等イジングマシンの求解性能に大きく影響はない.元の組み合わせ最適化問題への再構築されないイジングモデルを変換により生成する方法を研究した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに示された本研究ではイジングモデルから元の組合せ最適化問題へ再構築を防ぐ方法を研究した.
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Strategy for Future Research Activity |
当年度まで研究されている情報漏洩しうるイジングモデルは攻撃可否が元の組合せ最適化問題に依存し 適用範囲が狭い.適用範囲を拡大するためより一般的なイジングモデルに対する攻撃及び防御の研究を遂行する.
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Causes of Carryover |
研究の適用対象となるイジングモデルをより拡大するため研究期間を延長し,次年度使用額が生じた.
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