2023 Fiscal Year Research-status Report
秘密情報の抜き取りに耐性を持つイジングモデル暗号化に関する研究
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20K19803
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
多和田 雅師 早稲田大学, グリーン・コンピューティング・システム研究機構, 主任研究員(研究院准教授) (80754887)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | イジングモデル / イジング模型 / 暗号化イジングモデル / 量子アニーリング |
Outline of Annual Research Achievements |
組合せ最適化問題を解くためのハードウェアとして,量子アニーリング等イジングマシンが研究開発されている.これらのイジングマシンでは,組合せ最適化問題からイジングモデルと呼ばれるデータ構造を作成し,それを入力として使用する.クラウドサービスとして量子アニーリングなどのイジングマシンが提供されている場合,イジングモデルを遠隔地に送信する必要があり,クラウドサービス外部にデータが流出する可能性がある.イジングモデルから元の組合せ最適化問題を復元した場合に,組合せ最適化問題に含まれる機密情報が第三者に漏洩するリスクがある.
イジングモデルの情報流出を防ぐため,イジングモデル暗号化が考えられる.量子アニーリング等イジングマシンに入力するイジングモデルを暗号化することは,イジングモデルのグラフ構造や外部磁場係数と相互作用係数を再構成することである. 組合せ最適化問題に含まれる数値はイジングモデルに埋め込まれる際に冗長的に使用される.そのためイジングモデルの係数情報をヒントに秘密情報を再構築できる可能性がある.本研究ではイジングモデルの外部磁場係数と相互作用係数の値を変更して元の組み合わせ最適化問題への再構築を阻害することを考えてきた.
量子アニーリングやその他のイジングマシンを用いた組合せ最適化問題の解探索において,イジングモデルの構成方法により得られる解の品質が変化することが示唆されている.当該年度の研究では,イジングモデルの構造に注目し,異なるイジングモデルに変換することで求解性能が向上することを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イジングモデル暗号化手法の研究により,イジングモデル再構成による解品質向上の結果が得られた.新たな研究領域の開拓を示唆している.
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Strategy for Future Research Activity |
当年度まで研究されているイジングモデル暗号化に加えて,イジングモデル変換による解品質向上の研究を遂行する.
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Causes of Carryover |
研究対象としているイジングモデル暗号化の知見により,新たにイジングモデル再構成による解品質向上の結果が得られたため,研究領域を拡大して次年度に研究する.
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Research Products
(1 results)