2020 Fiscal Year Research-status Report
グラフと点郡を特徴量とした深層学習による結晶性質予測の高精度化
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20K19805
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 勇和 大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (40745147)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | グラフ深層学習 / 点群深層学習 / マテリアルズインフォマティクス / 新物質探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の目標は,マテリアルズインフォマティクスにおける深層学習技術のサーベイと点郡の特長を捉えた学習モデルの構築である. まず,前者においては深層学習を用いた新物質探索における広範囲なサーベイを実施し,現状の適用範囲,最新技術,研究課題を整理した.創薬などの化学分野における深層学習技術の適用例は多いが,結晶などの材料分野ではまだ十分な活用が行われていないことがわかった.特に,所望の物性を入力として物質を出力する生成技術はどちらの分野において今後の発展が期待されていることもわかった.本サーベイ成果は国内論文誌に採択され,また第1回インフォマティクス応用研究グループ 研究会にて招待講演を行った.さらに,本研究テーマで書籍の執筆を行っているところである.そのため,本研究の注目度の高さおよび重要性が改めて確認できた. 後者の点群の特徴を捉えた学習モデルでは,新たに開発した点群深層学習を物性予測に適用した.研究目的のひとつであるグラフと点群のどちらのアプローチがよいかの検証のために,開発技術と最新のグラフ深層学習において物性予測実験を行ったところ,グラフ深層学習の方が高精度であるという結果となった.そのため,グラフと点群の両方の観点を取り入れた技術で精度が向上するかを検証するために,新たな学習技術を開発中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度の目標は達成できた.サーベイ論文の注目度が高く,招待講演と書籍の執筆に繋がったのは大きな成果といえる.開発技術も順調に進んでおり,2021年度の研究目標も既に進展しつつある. 一方で,コロナウィルスの影響により当初データ収集のアルバイトを予定していた学生が休学するということがあったため,データ収集が完成しきっていない.そのため,2021年度はデータ収集にも力を入れる必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年の研究計画として,グラフと点群の両方の観点を取り入れた技術を開発し,最新技術よりも高精度化を目指す.また,その成果を国際会議に投稿する予定である.また,前半にはデータ収集にも力を入れ,網羅的な実験を達成する.
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響により,アルバイトを担当する予定だった学生が休学したことおよび出張が取りやめになったことが理由である.今年度は当該学生が復学したため,データ収集のアルバイトを頼む予定である.
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