2022 Fiscal Year Annual Research Report
グラフと点郡を特徴量とした深層学習による結晶性質予測の高精度化
Project/Area Number |
20K19805
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐々木 勇和 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教 (40745147)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | グラフ深層学習 / 点群深層学習 / マテリアルズインフォマティクス / 新物質探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の目標は,材料データにおける分子に対して,グラフと点群の両方の観点を取り入れた深層学習モデルを構築し,精度検証を実施することであった.特に,点群の位置情報を取り込むことで既存技術よりも高精度化を目指した. 本研究では,原子間の距離の他にねじれを枝の属性として保持するモデルを構築した.位置情報を節点の属性として保持する既存のモデルと比較して,位置情報の原点を決める必要がなく,相対的な原子間の情報のみでよいという特徴がある.また既存モデルと同等の情報を枝に付与することができるため,既存モデルの機能を包含する一般的なモデルとなっている.本モデルを公開されているデータセットおよび2021年度に自ら作成した物資データに対して性能評価を行い,既存手法よりも高精度であることを確認した. 加えて,提案技術に基づいて太陽光電池に関する物質の候補を列挙し,物質作成作業を実施中である.物質探索ではアクセプターとして実用化が期待されているP2HTのドナー候補を提案モデルを用いてスクリーニングし,高性能が期待されるドナーに絞った物質作成を行う.これにより,物質作成の総当たりおよび化学者の経験や勘に依存した実験計画をより最適化し,所望の性質をもつ物質を作成しながら,作成する物質量を減少することができると期待できる. 深層学習モデルを開発し,性能検証するだけではなく,実際にモデルを応用分野に活用し実施することができている.
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