2020 Fiscal Year Research-status Report
Linear Equations Solver for Domain Decomposition Based Parallel Finite Element Methods with Inconsistent Mesh
Project/Area Number |
20K19813
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森田 直樹 筑波大学, システム情報系, 助教 (20789010)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 計算工学 / 並列計算 / 数値シミュレーション / 連立一次方程式解法 / 有限要素法 |
Outline of Annual Research Achievements |
航空機、自動車、建屋などに代表される構造物の構造安全性を評価するためのシミュレーション手法として、有限要素法による数値解析が利用される。解析対象の支配方程式を離散化すると、最終的に有限要素法で解くべき連立一次方程式が得られるが、問題によっては大規模問題や悪条件問題、メッシュの非整合などが原因となって、しばしば連立一次方程式が解きにくい状況に直面する。本研究では、解くべき連立一次方程式に以下の条件:(A) 問題自由度が大規模、(B) 非線形動解析、(C) 解析対象に由来する悪条件問題(例:薄板構造、メッシュサイズ差)、(D) 複数領域が存在し領域間のメッシュ界面が非整合(例:接触解析、重合メッシュ解析)を設定し、この条件下において有用な有限要素法のための連立一次方程式解法を開発する。 初年度である 2020 年度は、非整合メッシュを有するシミュレーションとして重合メッシュ法による有限要素解析に注目し、提案手法の評価基盤となる領域分割法による並列有限要素解析シミュレータおよび領域分割パーティショナを開発した。 また、本研究では線形ソルバとして並列計算効率の高い反復法を採用するが、反復法ソルバを用いる場合、解くべき問題の条件数を削減し反復法ソルバの収束性を改善する、反復法前処理の利用が必須となる。そこで、提示した条件下において有用な連立一次方程式解法の開発を目的として、高い前処理性能を得るために分割領域間にまたがる情報を考慮した大域的前処理を提案し、その基礎的検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、非整合メッシュを有する領域分割型並列有限要素解析シミュレータの開発および提示した連立一次方程式の条件下において有用な有限要素法のための連立一次方程式解法を開発する。概要の部分で述べたように、提案手法の評価基盤となる領域分割法による並列有限要素解析シミュレータの開発および、有用な連立一次方程式解法実現のための大域的前処理に関する基礎的検討が初年度にて完了している。以上のことから、本研究は順調な進捗が得られていると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020 年度の成果として、提案手法の評価基盤となる領域分割法による並列有限要素解析シミュレータおよび領域分割パーティショナの開発が完了した。そこで、次年度以降は本研究が対象とする連立一次方程式の条件下において有用な連立一次方程式解法の開発に大きく注力する。また、この研究項目に関してもその基礎的検討は既に完了しており、2021 年度は本研究課題の根幹となる大規模並列解析システムへの適用を見据えたシステム開発および複数の数値例を用いた提案手法の有効性評価を実施する。 最終年度では、これら成果を統合することで、高い計算性能を有する領域分割型並列有限要素解析シミュレータとして解析システムを構築し、実問題を想定した例題への適用および提案手法の有効性評価を実施する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響から、当初予定していた旅費としての利用ができず、次年度使用額が生じた。 その他の項目については計画通り予算執行しており、次年度使用額については、データ整理のためのコンピュータ・記録メディアの購入に充当することを計画している。
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Research Products
(1 results)