2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K19828
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
森川 大輔 富山県立大学, 工学部, 講師 (70709146)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 両耳間時間差 / 両耳間音圧差 / 頭部伝達関数 / 腹話術効果 / 音像分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、聴き取りやすく音を呈示するシステムの構築・評価を行うために、2021年度に両耳間音圧差・両耳間時間差による音像の分離現象と腹話術効果の相互作用を明らかにするために行った、視覚刺激が音像の分離現象に与える影響に関する心理物理実験の結果を精査し、結果に基づいてシステムの構築を行った。 また、2021年度に明らかになった、両耳間時間差と両耳間音圧差はいずれも音像の分離現象を生じさせるが、相互作用する場合に両耳間時間差による音像の分離知覚を両耳間音圧差が阻害する要因として働く場合があることについて、より詳細な検討を行った。その結果、両耳間時間差と両耳間音圧差が相互作用する場合、双方が音像の分離に寄与し一方による分離が他方による分離を阻害していないことがわかった。 さらに、本調査のベースとして音像を分離させる際の音像の移動速度の影響について調査を行った。その結果、音像の移動を知覚できる角度が移動速度によって大きく異なること、その要因として、移動速度だけでなく刺激音の持続時間が影響していることを明らかにした。また、視覚刺激によって音像の移動の知覚傾向が大きく変化することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画における2022年度の実施内容は、聴き取りやすく音を呈示するシステムの構築・評価であり、計画通りシステムの構築を行ったものの、その評価には至らなかった。 また、視覚刺激がない場合に両耳間時間差と両耳間音圧差の相互作用が音像の分離知覚に与える影響の調査をについて、2021年度から継続して調査した。その結果2021年度とは異なる傾向が得られたため、傾向が異なった要因についての調査が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
構築した音像の分離によって音を聴き取りやすく呈示するシステムの評価を行う。また、昨年度までの心理物理実験の参加者数を増やすとともに、両耳間時間差と両耳間音圧差の相互作用についてより詳細に調査する。
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Causes of Carryover |
研究発表会や国際会議のオンライン化によって、旅費の支出が予算案から大幅に減った。また、聴取実験の規模を縮小したことにより、人件費も予算案から大幅に減った。 2023年度は研究発表会や国際会議での現地での発表や、規模の大きい聴取実験を2022年度分だけでなく2020-2021年度に行った実験についても追加で行うことを計画している。
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