2021 Fiscal Year Research-status Report
Study of direction presentation method using auditory information for attention guidance in remote task instruction
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20K19839
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川口 一画 筑波大学, システム情報系, 助教 (80826975)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 遠隔作業支援 / 聴覚情報 / 注意誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、工場等で熟練者が遠隔地から現場の作業者に作業の指示を行う際に、聴覚情報(音)を用いて特定の方向に注意を誘導する手法の提案を行う。提案手法では、作業者が見ている方向と遠隔指示者が指示した方向の角度差に応じて、音の高さや音の大きさ等を変化させることで(指示された方向に近づくにつれて音が大きくなる等)、指示された方向に作業者の注意を誘導することが可能になる。
2020年度には、注意誘導に用いる聴覚情報デザインのための予備調査として、主観評価の結果に基づき候補となる音の周波数を複数選定し、候補刺激に対して丁度可知差異(刺激を変化させ、元の状態から変化したと知覚される最小の変化量)の計測を行った。並行して聴覚情報を用いて実際に注意誘導を行い、その精度を評価するためのシステム実装を行った。このシステムでは、モーションキャプチャ装置と音響提示プログラムを連動させ、目標角度とユーザの頭部方向の差分に応じて音の高さを変化させる。
2021年度には、実装した評価用システムを拡張し、目標角度とユーザの頭部方向の差分に応じた音響の変化パターンとして、目標角度に対して線形に音高が変化する線形変化条件、逆数に比例して変化する逆数変化条件、指数的に変化する指数変化条件の3種類を実装した。その後、実装したシステムを用いて実際に注意誘導を行う被験者実験を実施し、3種類の音響変化パターンそれぞれの特性を評価した。現在は実施した実験結果の解析を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実施計画で設定した「①提案手法による方向提示によって設計通りの精度を達成するための取り組み」および「②提案手法を用いた遠隔作業支援システムを構築し、その効果を検証するための取り組み」のうち、①に関する取り組みを実施している。 2021年度には①の取り組みを完了する見込みであったが、実際に聴覚情報をデザインする上ではパラメータ設計にいくつかのトレードオフがあり、そちらを考慮した実験を追加し、現在は実験後の分析を行っている段階である。よって、当初の計画からはやや遅れていると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究実施計画で設定した「①提案手法による方向提示によって設計通りの精度を達成するための取り組み」を実施していく。具体的には、2021年度までに実施した評価実験の分析を行い、必要があれば誤差を最小化するパラメータ調整を行っていく。 次に「②提案手法を用いた遠隔作業支援システムを構築し、その効果を検証するための取り組み」として、実装したシステムと既存の注意誘導手法の比較実験を行うための実装を行う。既存の注意誘導手法としては、本提案手法と同様に音響刺激を用いて注意誘導を行う手法として空間音響を用いる空間音響条件、また聴覚ではなく視覚情報により注意誘導を行うMR条件を実装する。そしてこれらの条件と本研究の提案手法を比較する精度評価実験を行う。
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Causes of Carryover |
物品購入に当たり軽微な端数が発生したことから(1,691円)次年度使用額が生じた。次年度の物品費と合算し使用する予定である。
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