2020 Fiscal Year Research-status Report
衣服への空中超音波照射による非接触全身触覚提示システム
Project/Area Number |
20K19841
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神垣 貴晶 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任研究員 (70866368)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 全身触覚 / 非接触 / 空中超音波 / ヒューマンコンピュータインタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は, 日常的に着用する衣服をインピーダンス整合器, 及び音響パワーの変換器として用いることで, 特殊なデバイスを装着することなく全身へ振動覚, 温覚, 及びそれらを複合した触感を提示することを目的としている. これらの感覚は, 環境に設置された環境に設置された空中超音波フェーズドアレイから衣服に対し, 適切な超音波パターンを照射することで実現する. 今年度の成果は, 第一にメッシュ状の吸音特性を備えたグローブを付けた手に温覚, 振動覚を提示できること, 第二に衣服を想定し, ある程度膨らみを持たせた布に超音波を照射し, 布を振動させ前腕部に振動覚を提示できることを確認したことである. グローブを用いた温覚, 振動覚提示は, 照射する超音波パターンを変えることである程度独立に提示できた. また, 当初は想定していなかったが, 音響流を用いて涼しさを独立に提示できることも確認した. 前腕部への振動覚提示は, 布の素材, 及び布が振動する超音波パターンを実験的に探し, 振動覚を提示できることを被験者実験により確認した. 以上の実験は, 40k Hzの空中超音波フェーズアレイを用いて行った. 数十センチメートル程度離して置かれた布に異なる超音波パターンを照射し, 上記結果を得た. 温覚・涼しさの提示に関しては, サーモカメラを用いて超音波を照射した際の温度分布の測定を行い, 物理的に温度を変化していることも確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は, 衣服に空中超音波を照射することで温覚・振動覚, 及びそれらを複合した触感を提示することを目的としている. 本年度は, 当初計画していたように, 振動覚を提示できる布の種類や形状, 及び超音波の照射パターンを実験的に確認した. 以上から, おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は, 2020年度に得られた知見をもとに, 振動覚・温覚の提示ができる衣服の設計・製作を行う. また, 製作した衣服を用いたアプリケーションの構築にも取り組む.
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Research Products
(2 results)