2022 Fiscal Year Annual Research Report
未観測共通原因が存在するデータからの多変数間因果グラフ推定
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20K19872
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
前田 高志ニコラス 東京電機大学, システム デザイン 工学部, 准教授 (20848361)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 統計的因果探索 / 未観測共通原因 / 因果推論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでの統計的因果探索の多くで仮定されていた「未観測変数の不在」という仮定を取り払うことを目的としている。本研究で構築した手法では、未観測変数の存在を認めつつ、因果関係が同定できるものについては可能な限り同定し、未観測変数によって因果関係が識別できないものについてはそのペアを提示するということが可能になった。未観測変数の不在という仮定は多くのデータ分析において非現実的なものであったが、本提案手法によって多くの種類のデータに対して統計的因果探索の応用が可能になった。 最終年度の研究について、未観測共通原因が存在するときの統計的因果探索手法のコードを作成し、オープンソースのライブラリの一部として公開した。このライブラリについて論文をまとめて、Journal of Machine Learning Researchにて発表した。また、本研究で発表した、因果関数が線形の際の統計的因果探索手法の論文に関して、米国の研究者から受けた指摘を取り込んで発展させた論文をBehaviormetrikaにて発表した。 本研究の全期間を通じた貢献については、未観測変数が存在するときの統計的因果探索手法を、因果関数が線形・非線形のそれぞれについて手法を構築し、論文として発表した。因果関数が線形のものについては、AISTATS2020という学会で発表し、International Journal of Data Science and Analyticsという論文誌で発表をした。非線形のものについては、UAI2021という学会で発表を行なった。また、前述の通り、オープンソースとしてそれらの公開を行なった。提案した手法は、共同研究として実施している遺伝子制御ネットーワークの解明にも一部利用され、国内学会にて発表を行なっている。
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