2021 Fiscal Year Research-status Report
ロボットの視覚の自律性獲得のための視る行為と気配についての研究
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20K19899
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Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
佐藤 啓宏 京都先端科学大学, 工学部, 講師 (00607591)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 人間行動観察 / 無意識 / 記録と記憶 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年1月25日,27th International Symposium on Artificial Life and Robotics(AROB2022)という国際会議において、"Basic Experiments for Erasing from Memory of Audio and Visual Data based on Somatosensory Imitation by Integrated Sensors"というタイトルにて、1件の研究発表をオンラインにて行った。コロナ禍による制限のため、大勢の被験者を使うことが困難な状況であったため、計測対象を研究代表者一人として、デスクワークにおける映像と音声による行動データの取得と、環境データの取得を約一カ月の長期間にわたり行い記録した。映像や音声を直接的に使わずに、気温や湿度、照度などの複数の性質の異なる環境データの時系列データを、異常値検知に掛けて、結果を統合して重要な場面と重要でない場面の検出を試みた。その結果を用いて映像音声を切り出したところ、おおよそ人間の感覚的に重要だと思われる場面に一致するタイミングを切り出すことができていた。考察として、長時間にわたる複数の環境データを基にすることによって、人間が無意識のもとに行う行動がもたらすわずかな環境変化から、人間が行う有意な行動を検出することが可能であることを示唆しているものと考えている。人間の記憶は、映像音声だけでなく、行動経験や体感温度、におい、肌感などにも基づいて整理されていると考えられ、これに似た機能のロボットへの実装のヒントを得たつもりでいる。 また、当初予定していた日常環境下での人間の長期にわたる行動観察の実験が行えるように準備を進めた。実験環境の未完成だった部分の整備を進めて、実施可能な時期を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
大勢の被験者を対象とした実験は、コロナ禍の制限の下でまだ実施できずにいる。苦肉の策として、小規模な実験装置で被験者を研究代表者本人とした実験を行い、研究発表をしたものの、当初の目的である人間の行動観察を元にロボットの行動アルゴリズムを作製するところまでは未だ遠く、進捗が不十分であると感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年4月から、ややコロナ禍の状況に改善の兆しが見えてきたため、2022年夏~秋には大学のガイドラインに則って、当初予定していたような大人数の被験者を対象とした行動観察の実験を進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のために、実験の実施予定を繰り下げ一部の物品の購入予定を変更したため、次年度使用額が発生した。また、謝金等で人を集めて行う実験が実施できなかったために、一部実験内容を変更したので、予算の計画に多少の変更が生じた。 本年度における繰り越し分の予算の利用方法については、主に実験協力者への謝金支払いに充てる予定でいる。
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