2021 Fiscal Year Research-status Report
Emergence of idle robots in a multi-robot system and its verification by long-term experiments
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20K19902
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
村山 暢 和歌山工業高等専門学校, 知能機械工学科, 准教授 (30709176)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 群ロボット / 連結性維持 / 耐故障性 / 長時間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では群ロボットシステムが長時間の協調タスクを行うことを想定し,タスク遂行中におけるロボットの故障を陽に考慮した自律分散制御手法の構築と評価を目的にしている.群ロボットの効率的なタスク遂行にはロボット間の相互作用ネットワーク構造が連結であることが求められるため,少数のロボットの故障によってネットワーク構造が非連結になり群れ全体のタスク遂行が困難となる恐れがある.特に長時間のタスクではタスクの達成度を瞬時値ではなく時間積分値として捉えられることから,本研究では「瞬時的にはタスクに貢献しないが,耐故障性に寄与することによって長時間的にはタスクに貢献できるロボット」の存在が鍵であると考えた.前年度はこのようなロボットの役割を創発するための分散制御則を提案し,理論解析と計算機シミュレーションによって耐故障性を制御できることを示した. 本年度は群ロボットのタスクとして,各ロボットに搭載されたセンサによる領域被覆を想定し,ネットワーク構造の耐故障性と被覆面積の関係を調査した.群ロボットシステムを1次元モデルに近似することで故障台数と被覆面積の関係性を明らかにし,タスク実行時間に対する耐故障性の設計指標を考察した.定性的には,タスク実行時間が十分短くロボットが1台も故障しない場合は耐故障性の無いネットワーク構造が最大被覆を達成し,実行時間が十分長く多くのロボットが故障する場合は耐故障性の強いネットワーク構造が最大被覆を達成できると考えられる.ここでは近似モデルを解析し,故障台数に対する被覆面積の期待値を導出することで耐故障性に対する定量的な考察を与えた. 同時に,上記の理論解析を実験検証するための群ロボットシステムを開発し,予備実験として耐故障性のない連結性維持制御の実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ロボットの役割創発のための分散制御アルゴリズムの開発および耐故障性とタスク達成度の関係性の解析は計画通り進んでいる.一方,実験検証用の群ロボットシステムの開発が半導体不足の影響により滞っている.このため区分(2)と評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに開発・解析した提案手法の実験検証および評価を行う.特に,本研究の提案手法が単純な連結性維持制御や2重連結性維持制御と比較して有効になる条件を明らかにする.また提案手法を拡張し,自律的に耐故障性(ネットワーク構造)を制御できる制御手法を検討する. 実験検証には開発中のロボットを利用した実機実験を想定しているが,半導体不足の影響によって本研究の提案手法が効果的となる台数のロボットを用意できない可能性があるため,計算機シミュレーションによって代替することも計画している.その場合,提案制御手法による耐故障性(ネットワーク構造)制御の検証のみ実機実験を行い,長時間被覆制御の評価をシミュレーションで代替する.
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Causes of Carryover |
半導体不足の影響により実験用ロボットに搭載するコンピュータを必要数購入できていないこと,および新型コロナウイルス感染症の影響により国際会議参加等の出張が無いことによって次年度使用額が生じている.ロボット用コンピュータについては供給が安定し次第購入を進め,困難な場合は代替機を検討する.出張については緩和の方向で進んでいるため,次年度に利用する予定である.
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