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2022 Fiscal Year Research-status Report

異なるモダリティの嫌悪対象への選好形成に共通する神経基盤の解明

Research Project

Project/Area Number 20K19906
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

川上 愛  早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (70722007)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords悲しい音楽 / アンビバレント / 共感性 / 感情
Outline of Annual Research Achievements

悲しい音楽を聴取するという人間の行動は、自ら不快感情とされる悲しみを享受するという、一見すると相反する行動である。これについて、本研究では対象(音楽)が表現する感情と対象を享受するヒトが体験している感情を区別して捉え、それぞれを個別に測定することでこのアンビバレントな現象を追求することを目的としている。今年度は、昨年度文献調査により考察していたポーランド語の「ジャル(悲哀)」に関し、実際にポーランド在住のポーランド人を対象として、現地での実際の使われ方、人々がどういった状況で、どういう意味でこの言葉を用いているのかについて予備的な調査を行なった。ジャルというポーランド語は、他の言語では表すことができない概念を含んでいるようであるが、特に音楽との関連が深く、音楽聴取場面での「悲しみ」を明らかにする上では有意義な調査であった。
人を対象とした心理実験は、今年度も引き続き新型コロナウイルスによる影響で、感染拡大防止の観点から人を集めて実験に参加してもらうこと自体が難しく、特に本研究の実験では飛沫が飛ぶ恐れがある計画であったことから、特に注意を要するものであった。したがって、音楽聴取実験でこれまで使用してきた尺度の見直しを図るべく尺度に使用している形容語の検討を行った。具体的には、再度、感情を表すのに適した形容語を収集し、重複するものや不足するものの検討を他の研究者の意見も参考にしながら進め、英語の形容語についてはバックトランスレーションを行い、より精緻化した形容語尺度の作成に取り組んだ。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の計画では、今年度は人を対象とした心理実験を行う予定であったが、引き続き、新型コロナウイルスによる影響で、感染拡大防止のため人を集めて実験に参加してもらうこと自体が難しい状況であった。
特に、本研究の実験ではただ音楽を聴取するだけでなく、他の感覚器官の測定が想定されており、この測定は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からは厳しいものであった。そのため、実験実施が難しい状況であった。
代替案として、音楽に特有のポーランド語の「悲しみ」に関する調査及びこれまで音楽聴取の実験で使用してきた聴取者の感情を表す形容語尺度の精緻化に取り組んだ。

Strategy for Future Research Activity

今後は、今年度作成した尺度を用いて、人を対象とした心理実験を行う。
また、研究代表者には海外の学術雑誌から特集号の論文執筆の依頼が来ていることから、これまでに悲しい音楽に関する文献資料をまとめた論考を執筆し、投稿する予定である。

Causes of Carryover

今年度は、人を対象とした心理実験を実施する予定であり、実験参加者への謝礼を予算として確保していた。しかし、引き続き新型コロナウイルス流行により、人を集めての実験を実施することが困難であり、特に、本研究の実験デザインは、飛沫が飛ぶ恐れのあるものであったため、実験実施をやむなく見送ることになった。結果として、今年度は、調査及び形容語尺度作成にかかった費用だけで済み、当初見込んでいた実験参加者への謝礼の予算を来年度に持ち越すことになった。次年度にこれら持ち越し分の使用を見込んでいる。

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Published: 2023-12-25  

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