2023 Fiscal Year Annual Research Report
社会ネットワーク上の意思表明タイミングに着目した集団意思決定の実証的・理論的研究
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20K19929
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 真利子 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (80838847)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 集団意思決定 / 集合知 / 点過程 / 意思表明タイミング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,集団意思決定における人々の意思表明タイミングと意思決定の正確さの関係を解明することである.最終年度である本年度は,国際会議等に参加し,これまでに得られた集団意思決定の研究成果について報告した.前年度までは新型コロナウイルス感染症の影響により現地開催の国際会議に参加し難かったが,本年度は研究結果について海外研究者と対面で議論する機会を多く得られた. 具体的には,Max Planck Institute for Human Development, Berlinで開催された複雑系と社会学習に関するワークショップに参加し,「集団意思決定における個々人の意思決定の順番と集合知の関係」に関する研究結果を報告した.本ワークショップには,本研究とも深く関連する集合知や社会学習に関する実験・理論の専門家が参加しており,多くの知見を得ることができた.特に今回の議論を受けて,各個人が意思決定をする順番が他者の意思決定タイミングに依存することを考慮した数理モデルを新たに構築し,現在解析中である. また,オペレーションズ・リサーチの国際学会であるIFORSに参加し,「集団意思決定における,人々の意思表明の時間的な分布を定量化した実証分析」の結果を報告した.本研究は,意思表明が短時間に集中するような表明時刻分布の不均一性と集団意思決定の正確さの関係を調べたものである.本会議中は,意思決定の最適化に関する実証分析を専門とする研究者と議論し,集団意思決定時系列の実データについて情報交換できた.本課題の研究成果については,様々な問題に対する様々な特徴をもった集団の集団意思決定について同様の結果が得られるか調べ,そのロバスト性を示す必要がある.現在,本会議にて情報共有頂いたデータを含め,様々な実データの収集・分析を進めている.今後,集団意思決定に関するより普遍的な特徴を捉えることを目指す.
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Research Products
(2 results)