2023 Fiscal Year Annual Research Report
Design and validation of a user interface to support digital passive exposure to unexpected information
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20K19932
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
矢田 竣太郎 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (60866226)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フィルターバブル / ソーシャルメディア / 押し付けがましさ / 心理リアクタンス / 災害 / 医療 / 患者コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,医療や災害など誰にとっても暴露に値する情報(普遍的重要情報)をさりげなく,しかし受容されやすく表示するソーシャルメディア上のUI/UXの開発を目的とする.そのようなUI/UXとして「さりげない通知」の設計と検証を実施するのが本年度の計画であった.当初計画していたTwitterにおける「さりげない通知」の提示実験を断念し,所属研究室と提携関係にあるソーシャルメディア「エピソードバンク」を対象に変更した.エピソードバンクは一種の患者コミュニティで,同じ症状の患者が闘病生活等の「エピソード」を投稿し,他のユーザが各種エピソードに「いいね」等のリアクションをすることができる.この変更は,昨年度運営母体が変わったTwitter (現X)のAPI規約や利用形態が大きく変更され,本研究計画当初から想定していた実験が不可能となったのが消極的な理由である.一方で積極的な理由として,エピソードバンクであればプラットフォーム自体の通知機能を直接実装して,実ユーザの反応を観察できることが大きい.当初実験は,Twitterを模したモバイルアプリケーションを用いて,擬似的なTwitter様ソーシャルメディアで実験協力者に情報を暴露するという,ある種の仮想的なものにすぎなかったが,この点が大きく改善される.通知における「さりげなさ」を低頻度(月に1回程度)で目立ちすぎない見た目と定義し,プラットフォーム(Webアプリ)及びメールで実装した.実装した通知機能をデプロイしたところ,アクティブユーザの増加が見られたほか,質的にも好意的なフィードバックを得た.本通知機能は本研究課題終了後も継続するため,本研究のコンセプトが実際の患者コミュニティのQoL向上に貢献するという,社会実装上のアウトカムに繋げることができた.
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Remarks |
本研究課題に基づく通知機能が実装された患者向けソーシャルメディアプラットフォーム「エピソードバンク」.2種類のバリエーションがあり,「ABCエピソードバンク」は進行乳がん(Advanced Breast Cancer; ABC) 患者向け,「WorkCAN'sエピソードバンク」は働く世代でがんの診断を受けた患者向けのものである.
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