2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K19944
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
北 直樹 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30712153)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コンピュータグラフィックス / デジタルファブリケーション / コンピューテーショナルデザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、作業性を考慮した、制作工程上の制約を満たすプロシージャル生成手法を構築することである。デジタルファブリケーション研究の多くは特定の形状や機能を製造するための手法の提案するものであるが、本研究では製造品の組み立てや複製といった、製造後に生じる作業を効率的、あるいは実現可能とすることに焦点を当てた研究を行う。
本年度は、複製のための型取り用原型モデルのプロシージャル生成手法の構築に取り組んだ。特にシリコン型取りに着目し、離型可能性を制約として考慮しつつ、プロシージャルに水晶クラスタ形状を生成可能な手法をモデリングソフト上に実装することで、ユーザが対話的にパラメタ探索を行えるツールを開発した。離型可能性に関しては、実際に複数のモデルを3Dプリントし、レジン複製を行うためのシリコン型を3Dプリントモデルから作成してユーザによる離型テストを実施することで検証した。また、所与の2Dあるいは3D形状をポリオミノ・ポリキューブの類したパズル形状に分割する手法を提案した。提案手法では、容量制約付きグラフ分割手法をポリオミノ敷き詰めに適用することで分割形状を生成する手法を提案している。ベースとなる敷き詰めを変えることで様々な複雑さを持つ分割形状をデザインできることを確認したが、当該複雑さの組み立て・分解における作業性については今後検証していく予定である。
また他方では、ギフトラッピングに着目し、直方体の箱を包装する際に、包装紙の模様があらゆる箇所で連続的に繋がるようなラッピングパターンをデザイン可能なデザイン支援システムを開発した。現在は単色ストライプパターンのみデザイン可能であるが、今後はより適用可能範囲を広げ、汎用性の高いデザインシステムを目指す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに進展しており、「おおむね順調に進展している」と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までは主に型取り・複製を考慮したプロシージャル生成手法の構築について研究を行ってきた。今後も型生成についてより洗練された手法の構築に取り組むとともに、組み立て・分解の作業性に着目した研究の推進、およびラッピングについての研究についてもより汎用性の高い手法の構築を目指す。
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Causes of Carryover |
参加予定の学会が延期になったり、現地開催が中止となり、オンライン開催となったことで旅費その他の出費が当初予定より少なくなったため次年度使用額が生じた。当該予算は次年度に延期になった学会参加費等に充てる予定である。
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