2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of separation technique of 4f and 5f elements with optical switching of oxidation states
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20K19999
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
松田 晶平 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 物質科学研究センター, 研究開発アシスタント (00824591)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レーザーアシスト元素分離 / 選択励起 / 共鳴吸収 / 多光子過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4(2022)年度は、硝酸水溶液におけるアメリシウム錯体の共鳴多光子電荷移動とこれを元素選別の原理として用いるレーザーアシスト元素分離に関する研究成果をとりまとめ、高インパクトファクター誌へ掲載することができた。この研究の波及効果は大きいためプレスリリースを行った。さらに、放射性同位元素利用に関する広報誌において解説記事を発表した。投稿後は、励起状態や反応経路の観点からより詳細にメカニズムを解明するため、時間分解蛍光測定に取り組んだ。検出器の感度のために現時点では新知見の獲得に至っていないが、この現象のコアであり学術・応用の両面で重要であるため助成事業期間終了後も研究を継続したいと考えている。また、アルコール溶液におけるユウロピウムの共鳴多光子電荷移動については、メカニズムと効率を明らかにするため、レーザーフルエンス依存性を再評価した。励起レーザーのパルスエネルギーとビームサイズを変化させることで2-3桁に及ぶフルエンス領域を測定することが可能になった。測定対象は394nmでの1色2光子によるf電子の選択励起に伴うIII価ユウロピウムの還元反応である。生成したII価ユウロピウムは励起光によりIII価ユウロピウムへ1光子酸化してしまうことがわかった。そのため、III価ユウロピウムの2光子還元とII価の1光子酸化の両方を考慮した解析を実施した。これによりIII価ユウロピウムの2光子還元における1光子目と2光子目の量子収率を決定することができた。この研究についても学術誌にて報告した。
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