2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of triboelectric based energy harvester for wearable applications
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20K20012
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松永 正広 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (10850125)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 環境発電 / 摩擦帯電 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、摩擦帯電層と基材の材料として使用するエラストマー材料と発電性能の向上に大きく寄与する表面処理手法の検討を行なった。エラストマー材料により、電極として用いるカーボンナノチューブ薄膜の密着性、シート抵抗値が大きく異なり、従来のデバイス作製プロセスに改良が必要となった。また、表面処理手法として、負帯電性を示すフッ素ポリマーや正帯電性が期待できる有機材料塗布を検討した。正帯電性を期待した有機材料を用いたデバイスでは、エラストマー自体が負に帯電している影響もあり、想定よりも帯電量は少なかったが、従来よりも性能の向上を確認した。 また、発電で得られた出力を電源として利用するためには、間欠動作回路は不可欠である。得られた出力を効率よく利用するため、摩擦帯電型発電デバイスに適した間欠動作回路の検討も行なった。容量モデルを用いた等価回路を採用し、摩擦帯電型発電デバイスの動作シミュレーションを行なった。この結果は実測値を比較し良く一致することを確認した。このモデルを用いてプログラマブルユニジャンクショントランジスタを用いた間欠動作回路を設計し、簡易で高効率な間欠動作回路を実証した。 また、摩擦帯電型発電デバイスの発電性能をより定量的に評価するため、必要な測定系の構築を行った。リニアステージおよびエレクトロメータの導入により、電荷量評価が可能になるとともに、より精度の高い測定を行う準備が整った。次年度以降この測定系を使って評価を進めていく方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
容量モデルを用いて摩擦帯電型発電デバイスのモデル化を行い、シミュレーション結果と実験結果が良く一致することを確認した。さらに、環境発電に不可欠な間欠動作用回路についてもシミュレーションおよび測定を行い動作の確認を行った。また発電性能を評価する測定系の構築も済んでおり、次年度以降より精度の高い評価を行う準備も整っている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き作製したデバイスの性能評価を行う。ウェアラブル性を維持した上で、更なる発電性能改善には、従来の表面処理方法に加え帯電層内への電荷蓄積層導入も効果的であると考えられるため、あわせて検討を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の感染拡大の影響による実験の一時中断および学会発表のオンライン化による旅費削減が主な理由である。次年度における国際学会参加費、デバイス作製にかかる消耗品費、論文出版の際の英文校正費等としての使用を計画している。
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