2022 Fiscal Year Annual Research Report
循環システムにおけるライフサイクル観念を考慮したバッテリーの資源投入量評価
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20K20013
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
光斎 翔貴 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 准教授 (80845826)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 資源循環 / ライフサイクルアセスメント / リサイクル / リパーパス |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度では,LIBの循環モデルを作成し,資源循環によりどの程度天然資源の採掘量をおさえることができるかを検証した.まず,寿命を迎えた車載用LIBの定置利用へのリパーパス,素材レベルへのリサイクルにかかる資源使用量を関与物質総量(TMR)を用いて算出した.ここでは文献調査を通してインベントリーデータを作成した.次に,全世界におけるLIBの2050年までの生産量・ストック量・廃棄量を動的マテリアルフローを用いて算出した.ここでは使用期間に伴うLIBの性能低下や需要パターン,容量の制限などを加味している.最後に資源循環によるLIBのライフサイクルにおける天然資源使用量の低減効果を世界規模で評価した.これにより,全世界において,LIBに関わる天然資源の使用量は2050年において10-48Gt程度になり,適切な資源循環を行うことで8-44%の資源使用量の低減が達成できることがわかった.また,2050年までにおいては,リパーパスやリサイクルといった循環経済に関わる戦略以上に長寿命化が資源使用量の削減に大きく貢献することがわかった. また,自動車業界における車載用LIBの影響を見るために,内燃機関自動車,電気自動車,ハイブリッド自動車,燃料電池自動車の生産における資源使用量も算出した.従来の内燃機関自動車に比べ電気自動車はその2.3倍の天然資源が投入されており,その大半がリチウムイオン電池であることがわかった.また,このような技術転換によって,日本の自動車業界がチリや南アフリカといった国における資源採掘を新たに誘発することがわかった.これにより気候変動対策による安易な技術転換がより多くの資源を搾取することになりかねないということを明白とした.
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Research Products
(6 results)