2021 Fiscal Year Research-status Report
現代アフリカにおける恋人関係を結ぶ女性が経験する暴力と社会的孤立
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20K20040
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
中澤 芽衣 高崎経済大学, 地域政策学部, 特命助教 (40845731)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ウガンダ / ジェンダー不平等 / 恋人関係 / 差別と偏見 / 貧困脱却 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ウガンダ南部の農村内で経済的困窮・社会的孤立に苦しむ女性に着目し、彼女たちが地域社会で受けた不当な扱いや貧困に陥る社会構造を検討し、彼女たちを支援する方策と包摂する社会のあり方を探求することを目的としている。 2021年度も、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行による影響で、現地調査を断念せざるをえなかった。2021年8月に、携帯電話を所有する調査協力者の協力を得て、調査村の世帯調査を実施した。世帯調査から、恋人関係を結ぶ女性が別れをきっかけに調査村を離れ、別の農村に移動していることが明らかとなった。また、男性と別れた女性が新たな生活場所を求め、調査村に移入していることも明らかとなり、女性は男性との離別をきっかけに農村間を移動することがわかった。 これまでの研究成果をまとめ、2021年5月にオンラインで開催されたアフリカ学会で、土地不足が原因で調査村を離れた村びとのその後の生活実態について口頭発表をおこなった。7月には、龍谷大学アフリカ研究セミナーに招待され、昨年度までの研究成果をおこなった。アウトリーチ活動として、2021年度教員免許状更新講習会において、アフリカに暮らす人びとの生活の多様性や、地域住民が直面する問題について解説した。タンザニアの貧困地域における内発的な社会開発についての書評1点を寄稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度と同様、世界的な新型コロナウイルスの感染蔓延によって、ウガンダにおける現地調査が遂行できなかったことが理由である。しかしながら、今年度は調査協力者の協力を得て、電話やSNS、メールを通じて、遠隔での聞き取り調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の前半は、引き続き、調査協力者と綿密に連絡を取り合い、遠隔で聞き取り調査を実施し、データの収集に努める。また文献収集とその読み込みに力をいれ、文献と聞き取り調査で得たデータをもとに論文の執筆に力をいれ、研究成果の公表を進めていく。 当初の計画ではウガンダで約1ヶ月の現地調査を実施する予定であるが、秋ごろまで現地調査の実施は難しいと考えている。世界状況をみきわめながら、調査協力者から調査地周辺地域の感染状況について定期的に連絡を取り合い、調査の時期について検討していく。
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Causes of Carryover |
世界規模の新型コロナウイルス感染症の蔓延によって、8月に予定していたウガンダの現地調査を断念した。本研究計画の多くの部分を占める旅費を使用することができず、その結果、次年度の使用額が生じることとなった。 引き続き、日本とウガンダだけでなく、経由国の感染状況を注視しながら安全が確保できると判断できた場合にはフィールドワークを実施する。ウガンダの渡航が厳しいと判断した場合には、遠隔調査や女性のライフイベントに関する文献収集、論文発表などに使用する。
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