2022 Fiscal Year Research-status Report
現代ネパールにおける職業教育の実践と社会変容に関する研究
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20K20047
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Research Institution | Professional Institute of International Fashion |
Principal Investigator |
安念 真衣子 国際ファッション専門職大学, 国際ファッション学部, 講師 (00848822)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ネパール / 教育 / 職業教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、国内外での就労に関連性が高い職業教育に焦点を当て、海外移動や教育市場の拡大が著しい現代ネパール社会において、職業教育がどのように実践されているか、そして労働市場と教育市場の拡大および政治体制と教育制度の再編過程にある同国社会をいかに変容させているかを明らかにすることである。 この目的を達成するため、本研究では3つの問い――(1)職業教育制度の内容と運用の実態はどのようであるか、(2)職業教育とはいかなる場か、(3)職業教育はネパール社会にいかなる社会的モビリティをもたらすか――を念頭に置き、研究を始めた。 研究3年目にあたる2022年度は、とくに(1)と(2)に取り組むことを目的に、9月にネパールでの現地調査として職業教育に従事される方や教育制度に詳しい方へのインタビューをおこない、職業教育制度についての理解を深めた。いくつかの省庁下でそれぞれおこなわれている職業教育のうち、技術教育・職業訓練審議会の下でおこなわれている職業教育を中心に聞き取りをおこなった。ただし今回は制度面を主とする聞き取り調査となったため、実際の学生や卒業生などを通じて実践面についての知見を深めることは次年度への課題となった。また現地調査では、すでに長期的な関わりを持っている農村において、近年の生活変化と子どもの教育選択についての聞き取りもおこない、職業教育の認知や位置づけについて理解を深めた。次年度は最終年度となるため、これまでの研究内容をもとに(3)について考察を深めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の広まりを受けて、2020年度および2021年度にフィールドワークを実施することができなかった。2022年度には渡航が実現したものの、研究当初の計画からはいまだ遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究においては、引き続きフィールド調査を通じて職業教育についての知見を得るとともに、これまでの研究成果をまとめ、3年間の成果と課題を明確にできるよう努める。とくに2023年度には、複数回の現地調査を実施して研究成果を得るための知見を深める予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度、2021年度に計画していたネパールへの現地調査および国内での研究会参加を想定した国内旅費の執行が、今般の感染症流行のために実施することができず次年度使用額が生じることとなった。2022年度は現地調査を一度実施できたが、過去2年分の未使用額分を使うに至らなかったため、次年度使用額が生じた。2023年度は、国内学会・国際学会等への参加、現地調査の実施予定があり、それらを通じた資料収集のために研究費を使用する予定である。
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