2022 Fiscal Year Research-status Report
Institutional Social Elite Control in Contemporary Monarchies: Comparative Study of Moroccan and Jordanian Cases
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20K20061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邊 駿 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特任研究員 (40828563)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 中東君主制 / 権威主義体制 / ヨルダン / モロッコ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ヨルダン、モロッコの比較事例研究を通し、中東の強権的な君主制が統治機構を利用して社会的なエリートを統制するプロセスの実態を明らかにすることを目的とするものである。本研究は特に、社会構成(特にエスニシティ)や制度配置(特に政党組織の配置)に注目し、中東君主制における社会エリート統制を探求している。この課題を達成するため、本研究では、1. ヨルダン・モロッコ両国を対象に、1992年から2019年の閣僚人事動向、および閣僚経験者の経歴と、社会的地位に関する情報を収集するとともに、2. 両国の同時期における政党システムの発展の経路を追い、3. その関係性を考察するという構想を持っている。
本研究の開始以来、コロナ禍によって現地調査が実施できていなかったが、本年度はヨルダンでの調査を1度実施することができた。資料収集に加え、現地の研究者やジャーナリストとの意見交換を行い、本研究の分析枠組みに関するポジティブな反応が得られた。得られたコメントを反映しながら、収集した資料の分析を加えることにより、研究を前進させている。
現地調査に加え、本年度も研究成果発信を行った。昨年度までは質的な研究成果発信が中心であったが、今年度は初めて量的な観点からの分析を行った研究成果発信を行った。これにより、本研究課題で明らかにしてきたヨルダン君主制における社会エリート統制メカニズムへの理解を多角的に深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は本研究課題開始以来初めて、コロナ禍の状況改善により、ヨルダンでの現地調査を行うことができた。デジタル化時代とはいえ、遠隔地の日本から得られる情報には限界があった中、これまでの研究年度では得られなかった情報を補完することができ、ヨルダンの事例研究は大いに前進した。他方、モロッコでの現地調査は未だ実施できておらず、積み残しが発生している。このような今年度の進捗状況から、「おおむね順調に進展している」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究課題の最終年度となる。ヨルダンに関する分析はかなりの程度が完了しており、成果の取りまとめを進める。モロッコに関する事例研究を進めるため、モロッコでの現地調査を実施し、同国の歴代閣僚の経歴情報に関するデータ収集を進める。その上で、入手データを用いた事例分析を進め、成果の取りまとめを行えればと考えている。
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Causes of Carryover |
本研究課題は海外調査が中心となり、そのための旅費として研究費を利用する計画を立てていたところ、コロナ禍により海外渡航が行えず、未使用額が累積してきた。幸いなことに、今年度に感染症に基づく渡航制限の緩和が進み、次年度は自由な海外渡航が期待できる。次年度使用額は複数回の海外調査の実施に充当し、本研究の一層の発展につなげたい。
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