2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢化期ベトナム農村での非農業就労による世帯・地域社会への影響と組織・制度の役割
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20K20064
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
藤倉 哲郎 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (70722825)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ベトナム / 農村 / 紅河デルタ / 人口動態 / 高齢化 |
Outline of Annual Research Achievements |
北部紅河デルタ農村における一村落悉皆調査(1995年~2016年に5年に1回、計5次)のデータベースをもちいて、人口動態分析をおこない、2019年の国勢調査結果(2020年4月公開)との比較を実施した。国内の農村全体では、高齢化が少しずつ進んでいる一方で、年少人口の割合は顕著に低下しているために、従属年齢層の比率は低下傾向にある。これを紅河デルタ農村にかぎると、年少人口割合の推移に大きな変化はないが、高齢化が全国レベル以上に進んでいることから、従属年齢層の比率が上昇してきている。 他方で、紅河デルタに位置する調査村の人口動態は、当該地域と同様に高齢化が進んでいるが、年少人口比率の低下が顕著なために、従属年齢比率は低下しているという、特殊性がみとめられた。さらに、村落調査データベースのパネルデータで詳細を分析すると、過去20年間に、1995年時点の年少人口の村外流出が顕著で、現在の青壮年層の男女差に大きなアンバランスを生じさせていることがわかった。 これまでのベトナム農村研究では、高度経済成長の過程にあっても、農村人口比率の顕著な低下がみられないことが着目され、農村工業化や農村近郊の工業団地立地などを背景とする動向であると指摘されており、経済成長下にあっても農村共同体の持続を示唆するものとの議論もあった。しかしながら、紅河デルタ農村の人口動態分析の結果としてえられた今回の知見は、農村における移出入の実態を、性別や移動動機などを考慮して、詳細に分析する必要性を示すことになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の流行により、ベトナム現地への渡航が不可能となり、資料の取集、現地調査の準備が一切できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、日本国内・現地の両方において、新型コロナウィルス感染症の波状的な流行がみこまれ、現地渡航再開の見込みは、少なくとも2021年度末頃まではほぼないことから、公刊されている統計集の利用や過去の調査結果再検討するデータ分析に注力する。現地調査は当面見込めないことから、既存研究のレビューに比重を置いて研究を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の流行により、現地調査に関係する予算の執行ができなかったため。今後の現地調査再開の可能性を考慮しつつも、データ分析や成果発表に必要な機器の購入や、関連する研究書等の購入にあてるなど、研究方策の調整にともなう工夫をおこないながら使用する。
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