2020 Fiscal Year Research-status Report
ブラジルにおける社会課題解決と地域経済発展に関する研究
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20K20071
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
河合 沙織 龍谷大学, 国際学部, 准教授 (60734499)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ブラジル / 地域経済 / 社会課題 / グローバル化 / 開発研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,マクロレベルでの政治経済動向が地域経済の発展パターンに及ぼす影響について文献サーベイおよび統計・データベースの構築を中心に行った。地域経済を特徴づける構造的な要因を明らかにする試みとして,北東部および南東部のサトウキビおよび資源開発について,歴史的経緯から考察した論考を執筆した。本研究課題では,格差の縮小を伴う経済発展を遂げた2000年代のブラジルと,政治的経済的混乱ならびに社会的な亀裂や対立が目立った2010年代を主たる研究対象期間としているものの,地域経済の発展パターンはより長期的な影響に規定される部分があることから,それらの構造的要因を反映した実証研究の実施が重要となることが明らかとなった。 新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大の状況下で,2010年代に生じた経済の不安定化ならびに社会的な亀裂や対立が深刻化するとともに感染への対処を難しくしている可能性が高いことを受け,本研究で着目する社会課題のうち,地域レベルでの保健医療や公衆衛生の状況が地域経済発展に及ぼす影響について検討する分析に着手した。 海外渡航が困難な状況を受け,現地調査を実施することはできなかったが,オンラインで開催される研究会への参加やWeb会議ツールを用いた意見交換を通じて,2021年度以降渡航が可能となった段階で行う現地調査に向け準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外渡航が困難な状況を受け,現地調査を実施することはできなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,マクロレベルでの政治経済動向が地域経済の発展パターンに及ぼす影響についての実証研究と論文執筆を進める予定である。また,地域レベルでの保健医療や公衆衛生の状況が地域経済発展に及ぼす影響について,制度を整理した上でデータ分析と結びつける研究を行いたい。 海外渡航が困難な状況を受け,現地調査を実施することができないが,2021年度以降渡航が可能となった段階で行う現地調査に向け準備を進めつつ,オンラインで開催される研究会への参加やWeb会議ツールを用いた意見交換を通じて現地の状況把握に努め本研究に反映したい。なお,渡航が叶わない状況では新たなコンタクトの開拓が難しくなるので,その点については何らかの工夫を検討する必要があると考えている。
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Causes of Carryover |
海外渡航が困難な状況下で,現地調査が実施できなかったため。
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Research Products
(2 results)