2021 Fiscal Year Research-status Report
Factors affecting a decision on pre-travel vaccination in Japanese travelers
Project/Area Number |
20K20077
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山川 路代 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50734555)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 旅行者 / 予防接種 / リスク認知 / 感染症 / 渡航医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人は、欧米人と比べて、渡航前に必要な予防接種を受けないことが知られており、海外の臨床医からも問題視されている。日本人旅行者がなぜ予防接種を受けないか、接種行動と関連する要因を明らかにすることは、個人のリスク対策としてだけでなく、臨床現場での意思決定支援に有用であると考えられる。本研究は、トラベラーズワクチンとして一般的な小児の定期接種を行う対象となっている感染症(麻しん、風しんなど)、および旅行先で蔓延し、旅行者に予防接種が推奨されている感染症(A型肝炎、B型肝炎、狂犬病など)に着目することとし、調査準備を進めてきた。当初の予定では、インド・デリーにあるサンタナゲストハウスを利用する日本人旅行者を対象にデータ収集を行う予定だった。しかし、2020年12月に中国・武漢に端を発した、新型コロナウイルス感染パンデミックのため、データ収集が予定通り進められなかった。この新型コロナウイルス感染パンデミックにより、人々の予防接種に対する態度がコロナ前と比べて変化している可能性が考えられる。新型コロナワクチン接種が感染予防および重症化予防に有効であることが疫学研究を通じて明らかになり、国を挙げて三回接種が推奨されているものの、高齢者以外の世代、特に若年層で接種率が伸び悩んでいる。パンデミック以降、新型コロナワクチンについてもワクチンヘジタンシーの問題が取り上げられ、問題解決に向けた研究実践が進められてきた。そこで、今年度は、昨年度に検討した質問紙調査の調査項目を見直すことが必要と考え、新型コロナワクチンのワクチンヘジタンシー研究の文献レビューを行い、ワクチンヘジタンシーとの関連要因について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、新型コロナウイルスワクチンに関する文献レビューを行い、質問紙調査の質問項目について再検討を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナワクチン接種も普及し、大学での対面授業も再開されてきている。参加者募集など対面でのインタビュー調査の準備を進め、速やかに調査に着手する。実施にあたり、基本的な感染対策を徹底する。コロナ感染の状況により、オンラインコミュニケーションツールを用いたインタビュー調査の実施も検討しておく。インドを旅行するバックパッカーを対象とした質問紙調査については、今年度中の実施を計画し、予定通りに進まない場合は、海外の新型コロナウイルス感染の状況を踏まえて、インド以外の国に変更することも検討する。
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Causes of Carryover |
インドでのフィールド調査が実施できなかったことが、次年度使用額が生じた主な理由として挙げられる。今後の使用計画として、インドに旅行者が戻る前提で現地との調整を進める。現地協力者に依頼し、できる限り長期間データ収集を行うなど、効率的なデータ収集方法を検討する。
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Remarks |
「大学生が海外留学時に経験する症状とその関連要因の検討」「インドを旅行する日本人旅行者における疾患発生要因に関する研究」へご協力のお願い
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