2023 Fiscal Year Annual Research Report
Factors affecting a decision on pre-travel vaccination in Japanese travelers
Project/Area Number |
20K20077
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山川 路代 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50734555)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 旅行者 / ワクチンヘジタンシー / 渡航医学 / リスク認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究では、ワクチンヘジタンシーとの関連要因を考慮し、旅行者における感染症へのリスク認知の観点から検討することとした。2023年5月8日以降、新型コロナウイルス感染症が季節性インフルエンザと同様の5類感染症に移行したことで、日本人海外旅行者数の増加が期待されたことから、インド・デリーの日本人宿(サンタナ・デリー)を利用した日本人旅行者を対象とした質問紙調査(1)を昨年度から継続して実施することとした。さらに、岐阜大学の海外派遣プログラム(インド:インド工科大学グワハティ校)に参加した日本人学生を対象とした質問紙調査(2)を実施した。(1)については、2022年12月から2023年3月までの約1年間で、603人から回答が得られた。(2)については、2024年に実施されたプログラムへの参加者13名全員から回答が得られ、今年度のデータ収集を完了した。 データの解析結果として、予防接種とワクチンの安全性への懸念の強さとの間に負の関連が見られたが、ワクチンの有効性への懸念の強さとの間には同様の関連性は見られなかった。また、予防行動については感染症へのリスク認知との関連性が想定されるため、海外旅行保険への加入について関連要因の分析を行った。渡航歴がある人の方が、渡航歴のない人と比べて、海外旅行保険に加入しない傾向が見られた。海外旅行者に対する予防接種の普及啓発活動において、ワクチンの安全性への不安の緩和が鍵となる可能性があること、さらに、個人特性に応じたアプローチが必要であることが示唆された。
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